出生時に割り当てられた性別は“男性”、しかし、女の子として生きたいサシャの姿を追ったドキュメンタリー映画『リトル・ガール』の本編冒頭映像が解禁された。サシャが、数少ない“本当の自分”でいられる貴重な時間が捉えられている。

本作は2020年ベルリン国際映画祭で上映後、モントリオール国際ドキュメンタリー映画祭のピープルズ・チョイス賞やシカゴ国際映画祭国際ドキュメンタリーコンペティション部門 シルバー・ヒューゴ賞など、世界中で様々な映画賞を受賞した話題作。コロナウイルス感染の影響により劇場が封鎖されたフランスでは、同年12月にTV局ARTEにて放送され、視聴者数1,375,000人、その年のドキュメンタリーとしては最高視聴率(5.7%)を獲得した。
オンラインでも28万回以上の再生数を記録するなど大きな反響を呼び、ドキュメンタリストとして確かな地位を築いたセバスチャン・リフシッツ監督の洞察に満ちた繊細なカメラは、家族の喜びの瞬間、直面する多くの課題を捉え、幼少期の“性別の揺らぎ“に対する認知と受容を喚起する貴重なドキュメンタリーとなった。
サシャは2歳を過ぎた頃から自身の“性別の違和感”を訴えてきたが、社会は彼女を“他の子ども”と同じように扱えずにいた。やがて7歳になってもありのままに生きることができない、不自由なサシャ。家族はそんな彼女の個性を支え、周囲に受け入れさせるため、学校や周囲へ働きかけるのだが……。
今回解禁された映像は、ヘアバンドやヘッドドレス、スカーフ、キラキラのヘアアクセサリーなどお気に入りのアイテムや洋服に囲まれた自分だけの“お城”でささやかなファッションショーを開くサシャの姿から始まる。
そのあと続くのは家族とともに過ごす、幸せに溢れた日常の1シーン。社会でありのままに生きることができないサシャの、数少ない“本当の自分”でいられる貴重な時間を描き出した冒頭映像となっている。
『リトル・ガール』は11月19日(金)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開。
リトル・ガール
2021年11月19日(金)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
監督:セバスチャン・リフシッツ
020年/カラー/フランス/フランス語/85分/原題:Petite fille/英題:Little Girl/字幕翻訳:橋本裕充/字幕協力:東京国際映画祭/後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
配給:サンリスフィルム
© AGAT FILMS & CIE – ARTE France – Final Cut For real - 2020