クロエ・グレース・モレッツ主演最新作『シャドウ・イン・クラウド』(全国公開中)のトークイベント上映が4月3日(日)に実施され、昨年スマッシュヒットを放った映画『ベイビーわるきゅーれ』で主演を務めたスタントパフォーマーの伊澤彩織が登壇。クロエ・グレース・モレッツのファンを公言する伊澤が本作の見どころなどをスタントパフォーマーとしての目線もまじえてたっぷり語った。
「スタントパフォーマーの伊澤です、この作品に出演などしてないのですが(笑)、呼んでいただき光栄です! 上映後の舞台挨拶ということでネタバレを気にせず話せればと思います」という伊澤の挨拶からイベントはスタート。
最初に、本作の感想を聞かれると「クロエさんが主役ということしか前情報を入れずに観ました。観進めていくうちに、あれ戦争映画なんだ、あれワンシチュエーションなんだ、あれ?グレムリン出てくるんだ!とどんどんいろんなサプライズがあって、最初シリアスかと思いきや後半に進むにつれて爆笑、戦争映画なのにポップっていう…とっても楽しめました! この映画は、ポップコーンと一緒に楽しんでほしいですね」と語る。
クロエ・グレース・モレッツの演技力について伊澤は、演技はもう言うまでもなく抜群と前置きし、本作では目の演技が特にすごいと太鼓判を押す。「眉の上がり方とか、目の開き方で心情を表わしているのがすごいんです! ほぼワンシチュエーションなので、クロエの顔だけで成立させちゃっている、少女性と母性を兼ね備えていて、ずっと見ていられる女優さんです」と絶賛。
前半のクロエが銃座に閉じ込められながら進む会話劇について「男性からの口撃は、少なからずトラウマが呼び起こされるシーンだなと思いました。ロザンヌ・リャン監督も“クロエがうまく演じられたのは彼女が幼いころから映画業界という(当時)男性が多い業界の中で少なからず揉まれた経験があったからなのではないか”と言っていて、彼女の人生経験が今回の演技に結び付いているんじゃないかなと思いました」と考察。
また『[リミット]』『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』などの過去のワンシチュエーション映画を引き合いに出し「ワンシチュエーションムービーは観客と一緒に時間を体感できるのが良さだなと思います、観客は狭い空間しか見るしかないのでその場にいるような錯覚に陥りますよね。クロエが指を負傷するシーンとか“痛っ!”と思ったり」とワンシチュエーション映画の魅力についても語った。
スタントパフォーマーの視点から見ても今回のクロエのアクションは見事だという伊澤は、見どころのひとつ、爆破されて一度は空に放りだされるが再び飛行機内に戻ってくる“爆破生還シーン”について「あれはすごかったですねー、ワイヤーアクションだと思うんですけど飛行機に戻るときに腹で着地するあたりが面白い! また、重い鞄を肩にぶら下げながら機体の外を這うシーンについても、実際にはありえないだろう‼ と思いながらもハラハラさせるんですよね、指1本で耐えたりして、火事場のバカ力でしたね!」とアクションシーンを堪能した様子。
「ボディダブル2人、スタントダブル1人をエンドロールで見つけました、彼女たちがどこで活躍しているか分からなかったですけど、クロエさんの体力温存のために裏で活躍されていたんだと思います! スタントをやっている人間としては どこですり替わっているか分からないと言われることが誉め言葉なので、今回のスタントの方も素晴らしかったです!」と語ると、続けてグレムリンとの肉弾戦について「クロエがグレムリンのしっぽを振り回してるところで男性陣はみんな棒立ちで応戦してこない姿に笑いました、それをよそにクロエがボッコボコにするところが爽快!」「グレムリンが振り上げたこぶしをクロエが受け止めるシーンで一瞬だけ人間っぽさがあったような気がしていて(笑)、あれモーションキャプチャーでやってたのかなー、あのコウモリのようなネズミのような、それでいてちょっと人間っぽさも相まって絶妙な気持ち悪さもよかったですよね」とスタントパフォーマーならではの視点で考察を述べる伊澤。
最後の挨拶では「『シャドウ・イン・クラウド』はいろんな映画のオマージュがある映画だなと思います。戦争映画の側面もありますがポップに観られる映画なのでいろんな世代の人に観てもらいたいなと思います!」と締めくくった。
『シャドウ・イン・クラウド』は第2次世界大戦下、連合国軍女性パイロット、モード・ギャレットが、上空で“大空の魔物”グレムリンと遭遇し、高度2500メートルの極限サバイバルを繰り広げるジェットライド・サスペンス・アクション。『キック・アス』のクロエ・グレース・モレッツが主演を務め、第45回トロント国際映画祭のミッドナイト・マッドネス部門で観客賞を受賞している。
『シャドウ・イン・クラウド』は全国公開中。
シャドウ・イン・クラウド
2022年4月1日(金)新宿ピカデリーほか公開
ストーリー
第2次世界大戦中の1943年。連合国空軍の女性大尉モード・ギャレットが、フールズ・エランド号と命名されたB-17爆撃機に乗り込んだ。上官からの密命を帯びたモードの任務は、極秘の最高機密をニュージーランドからサモアへ運ぶこと。オール男性の乗組員たちから卑猥な言葉を浴びせられながらも、ひたむきにミッションを遂行しようとするモードだったが、銃座の窓から機の右翼にまとわりつく、謎の生物を目撃する―。そしてある重大な秘密を隠し持つ彼女が、この爆撃機に乗った本当の理由とは……。
監督:ロザンヌ・リャン 出演:クロエ・グレース・モレッツ、ニック・ロビンソン、ビューラ・コアレ、テイラー・ジョン・スミス
2021年/ニュージーランド・アメリカ/英語/カラー/SCOPE/5.1ch/83分/字幕翻訳:額賀美雪/原題:SHADOW IN THE CLOUD
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
© Ātārangi Kiriata Limited 2020
公式サイト shadow-in-cloud.com
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