地中海の島国マルタ共和国製作の映画として日本初上陸となる『ルッツ 海に生きる』が6月24日(金)より新宿武蔵野館他にて全国順次公開されることが決定した。あわせてポスタービジュアルが完成した。

映画を語るWeb番組として活動してきた「活弁シネマ倶楽部」が初めて共同配給する作品

本作の主人公はマルタ特有の伝統漁船ルッツの漁師ジェスマーク。誇りを持てる漁師という仕事と、家族を養うためにお金を稼がなければならないという現実との狭間で、もがく主人公の苦悩と葛藤を描く。誰にでも共感できる切実な題材であり、更には地球温暖化の問題、EUの共通漁業政策、格差問題など社会の不条理に切り込んだ人間ドラマになっている。

地中海の島国マルタ共和国には映像制作への奨励金制度があり、その景観の美しさから『グラディエーター』(2000)、『モンテクリスト伯』(02)、『トロイ』(04)、『ミュンヘン』(06)など数多くの映画が撮影されているが、マルタ製作の映画としては本作が日本初上陸となる。

26歳のジェスマークは、曾祖父の代から受け継いできた伝統の漁船ルッツで漁師をしている。不漁が続き、思うように収入を得ることができない状況の中、生まれて間もない息子の発育不良がわかり、治療にも費用がかかることになってしまう…。動揺して裕福な実家を頼ろうとする妻デニスと、夫婦二人で乗り越えたいジェスマーク。夫婦の間には徐々に不協和音が生じ始める。そして、漁師である以上、安定した収入を常に得ることができないことを痛感したジェスマークは、漁師としてやってはならないことに手を染めてしまう…。

主演のジェスマーク・シクルーナは俳優ではなく、実際もルッツの漁師として働いている。何カ月にもわたり、マルタ島で主役の漁師を探し続けていたキャスティング担当とアレックス・カミレーリ監督の目に留まり、本作の主役に大抜擢された。演技未経験ながら、まるで主人公として生きているような自然かつ見事な演技を見せ、サンダンス映画祭ワールドシネマ・ドラマティック部門で俳優賞を受賞している。サンダンス映画祭出品以来、映画批評サイト「ロッテントマト」で、一年以上にわたり評価が100%になっている秀作だ(2022年4月25日現在)。

ポスタービジュアルでは、生まれたばかりの子供に発育不良が見つかったシーンをデザインし、主人公ジェスマークの苦悩と葛藤が表現されている。

また本作は、映画を語るWeb番組として活動してきた「活弁シネマ倶楽部」が初めて共同配給する作品となる。「活弁シネマ倶楽部」からのコメントは以下の通り。

「規模の大小に関わらず世界中の映画とも出会ってきた活弁シネネマ倶楽部だからこそキュレーションできる映画があると信じ、それを観客の皆様に届けるところまでお手伝いできればと考えています。買付配給宣伝という新しい映画と出会う機会を提供できるプロジェクトを新しくスタートさせたいと思います。映画を学び、語り、出会う楽しさを映画ファンであるあなたと共有できれば嬉しいです。」

by 活弁シネマ倶楽部

作品情報

ルッツ 海に生きる
2022年6月24日(金)より、新宿武蔵野館他にて公開

監督:アレックス・カミレーリ 出演:ジェスマーク・シクルーナ、ミケーラ・ファルジア、デイヴィッド・シクルーナ
2021年/マルタ/カラー/ビスタ/5.1ch/95分/日本語字幕:杉本あり 後援:駐日マルタ大使館

配給:アーク・フィルムズ/活弁シネマ倶楽部

©2021 Luzzu Ltd

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