アメリカのポップカルチャーを変えた伝説のシンガー、ジャネット・ジャクソンがすべてを語るドキュメンタリー番組『ジャネット・ジャクソン 私の全て』がCSヒストリーチャンネルにて6月12日(日)より放送開始。このたび、その放送を記念して、西寺郷太とミッツ・マングローブが出演するYouTube番組『ジャネット・ジャクソンの全て』が配信開始される。
「ハッシュタグ的なキーワードの集大成」(ミッツ・マングローブ)
『ジャネット・ジャクソン 私の全て』はこれまで語られることの無かった伝説のシンガー“ジャネット・ジャクソン”の50年余りの人生を、本人と著名な友人たちが語る完全保存版ドキュメンタリー。これまでメディアに多くを語らなかったジャネットが、シンガーとしてのキャリア、母となってからの人生観の変化から、複雑な幼少期、兄弟や親との関係、兄マイケルとの想い出まで初めて語りつくす。
今回この放送を記念して、ミュージシャンでありジャネット・ジャクソン研究家でもある西寺郷太、ジャネット・ジャクソンの大ファンを公言するタレントのミッツ・マングローブが出演するYouTube番組『ジャネット・ジャクソンの全て』が5日30日(月)にヒストリーチャンネル公式YouTubeチャンネルにて配信開始。あわせて二人のインタビューが到着した。
——ジャネット・ジャクソンを初めて好きになったタイミングやきっかけを教えてください。
ミッツ・マングローブ:もちろん曲も大好きなんですが、今回のドキュメンタリーを見て再認識したんですけど、「顔」です。やっぱり可愛い。アイドルとしてのポテンシャルが高いし、そこに声が付いてきて、いろいろな要素が重なって、好きになったと思います。ちょうど14歳ごろに、今からマイケル・ジャクソンを追うにはしんどいな、と思ったタイミングで、ジャネット・ジャクソンだったらリアルタイムで「接種」出来ると思ったことも大きいと思います。89年「リズム・ネイション1814」からのファンです。
——ジャネット・ジャクソンについて、ご自身の思い出はありますか?
ミッツ・マングローブ:コンサートは毎回行っているんですが、一番ジャネットに接近したのは、渋谷のHMVのサテライトスタジオで2001年「オール・フォー・ユー」ツアー時の来日記念のミニトークショーです。貴重なグッズコレクションは1990年のツアーのバッチです。当時、イギリスに住んでいたんですが、ウェンブリースタジアムのライブを観た時のツアーグッズで、実は5回くらい落としているんですが、必ず戻ってくるんですよ(笑)。
西寺郷太:2017年にさいたまスーパーアリーナでライブの後に日本のアーティスト何人かと写真を撮ってもらえる機会があって、一度軽くハグしてもらいました。その時の写真は結局手元に無いんですが、本当に嬉しかったですね。
——ジャネット・ジャクソンからどんな影響を受けていますか?
ミッツ・マングローブ:初めて自分のグループで歌を出すとき、必ずやろうと決めていたのが「インタールード」。曲と曲の間にインストだったり街の雑踏だったり台詞を入れようと決めていて、それはジャネット・ジャクソンがやっていたことです。
西寺郷太:当時を思い出すと「コントロール」(1986)まではLPレコード中心でしたが、三年後の「リズム・ネイション1814」(1989)はCDラジカセの時代になっていて。CDになり、A面とB面が無くなったことで、細かく1分とか15秒のインストや掛け声だけのCMのような曲を挟むジャネット作品は新鮮でしたね。後の安室奈美恵さんのアルバムにも同じような仕掛けがあったりして。
——ジャネット・ジャクソンの魅力をお聞かせください。
西寺郷太:僕が書いた『ジャネット・ジャクソンと80’sディーバたち』(星海社新書)の中にも書いているんですが、マイケル・ジャクソンやプリンスは例えば“味噌”とか“カレーのルー”みたいな人で、うどんを入れたらそれぞれの味をベースにしながら色が変わるから、後々の人がいつ味わってもちゃんとその味が残る。ただジャネット・ジャクソンは全ての音楽に入る“出汁”のような存在で、どの料理にもちゃんと入っているんですが、わざわざ主張しない存在。ジャネット・ジャクソンは80年代後半のダンスだったり、MVだったり、ファッションだったり、歌だったり、特に女性シンガーの身のこなしの基本になっています。ジャネットの“以前と以後”というくらいの存在なのに、「出汁」なので当たり前すぎて公言されていないところはもっと評価されるべきだと思っています。わざわざ“出汁うどん”って言わないじゃないですか(笑)。90年以降にデビューした安室奈美恵さんやスピード、宇多田ヒカルさんなど、女性アーティスト全体の“ボトム(底)”をジャネットが全て変えた凄さはあると思います。だから、気づかれないことが多いし、ジャネットの影響を受けています!とまで思わないレベルで世の中を変えてしまった存在なんだと思います。
ミッツ・マングローブ:ちゃんと進化が理解されるのは時間がかかるよね。
西寺郷太:数年前に、「イエスタデイ」というビートルズが居なかった世界を描いた映画があったんですが、あのパターンでジャネット・ジャクソンが居なかった世界をやると、どんな違いが出るか面白いと思う。
ミッツ・マングローブ:Kポップも大きく違ったものになっているはず。
西寺郷太:そういえばドキュメンタリーの最終話で、BTSがジャネットに挨拶に行くシーンがありますよね。今年このドキュメンタリーがアメリカで放送されて、ジャネット・ジャクソンがよりシンボリックな存在としてみんなが気づいてくれると思います。
——数あるドキュメンタリーの中で、アメリカでこれだけ視聴率を取った理由はなんだと思いますか?
西寺郷太:もし日本で安室奈美恵さんや宇多田ヒカルさんがご自身で関わられたドキュメンタリーがあったら皆さん興味を持たれるんじゃないでしょうか? それに近いんだと思います。やっぱりアメリカ中がジャクソン家のことを知っていて、ジャネット自身もメディアの前に出なくなって長いこともあり貴重です。
ミッツ・マングローブ:今の時代から考えても、バズる「キーワード」をたくさん持っている人。人種、偉大な家族、二世の悩み、貧困、女性、出産、それでいて成功している、ポジティブなものも、ネガティブなものも含め、ハッシュタグ的なことで考えても人が見たくなるキーワードが集約されているところがやっぱり理由ですよね。「#私マイケルの妹です」「#兄がマイケル」のついたドキュメンタリー番組、観たいですよね?(笑)
——中学生のころ聞いていたジャネットの音楽の印象と、今この年代で聴くことの印象の違いはありますか?
ミッツ・マングローブ:10代のころに聴いたときは圧倒的にキラキラしていて新しい音楽で、今はあの頃10代でいてよかったというリアルタイムで体験出来た衝撃や尊さを噛みしめています。精神年齢が上がって行く14歳や15歳であの音楽に出会えたことが嬉しいです。
——視聴者の方にメッセージをお願いします。
西寺郷太:僕にとってのスーパースター、例えばフレディ・マーキュリー、ジョージ・マイケル、プリンス、マイケル・ジャクソン。若い人やいろんな方から亡くなった後、彼らのライブ見ておけばよかったかな、とか新曲が出るときの喜びを味わえなかったかな、とかもう少し早く気が付いておけばよかったとか、よく言われたりします。僕もそう思うアーティストは多くて。でも、ジャネットは若くして成功したということもあり、まだジャネットは50代で、もしこのドキュメンタリーを見ても、新曲の喜びを味わえる現在進行形のアーティストなんでです。また日本にもツアーで来てくれるかもしれない。新曲を聴いたりMVを見たり、彼女から色々影響を受けることに間に合う、限られた伝説的な人。ぜひ観てほしいです。
ミッツ・マングローブ:当然ジャネットのファンの方やずっと洋楽が好きで聴いてきた人、バブルの時代にJALの機体の前で踊っていた彼女を知っている人、安室奈美恵さんを筆頭に90年代の邦楽が好きだけどジャネットを知らない人、社会的な問題に興味ある人も含めて、割と世代や性別を選ばず、いろいろな角度から気づくことあると思いますので、ぜひご覧ください。
YouTube番組『ジャネット・ジャクソンの全て』詳細
◆配信日時:5日30日(月) ヒストリーチャンネル公式YouTubeチャンネルにて配信開始
◆出演者:西寺郷太、ミッツ・マングローブ
◆配信URL https://youtu.be/1xSVmfdMPno
ジャネット・ジャクソン 私の全て
(全4話)
放送日時:2022年6月12日(日)よる8:00より、CSチャンネル「ヒストリーチャンネル」にて放送開始
毎週(日) よる8:00より、シリーズ全4話放送
©Janet Jackson
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