グレタ・ガーウィグに続く才能と絶賛されるケリー・オサリヴァンが主演・初脚本を務め、タブーとされていた「女性あるある」をユーモアと見事なバランスで描く『セイント・フランシス』(8月19日公開)の予告編が解禁された。

SNSでシェアされる、充実したように見える他人の人生。それに比べて「自分なんて」と落ちこみ、満たされない気持ちや不安にさいなまれる人は大勢いるはず。でも、人の人生なんてそんなに完ぺきじゃない。誰だってみんな苦しんだり、家族にだって言えない悩みや秘密を抱えている。社会が決めた見えないルールに振り回されて居心地の悪い思いをしたり、自分の生き方に自信を持てなかったり……。『セイント・フランシス』はそんな不安だらけの毎日を生きるすべての人々に優しいエールを贈る作品。これまでタブー視されることの多かった、生理、避妊、中絶、女性の身体にのしかかる様々な負担や精神的プレッシャー、セクシャルマイノリティーの人々が直面する社会的な差別といったリアルをユーモアと軽やかさをもって見事なバランスで描く。
グレタ・ガーウィグの『レディ・バード』(17)の女性の描き方に触発され、俳優として多くの脚本を読んで来た経験を生かして自伝的要素を織りこんだ本作のオリジナル脚本の執筆を開始したというケリー・オサリヴァン。「女性に生理がなかったら地球には誰も存在しないのに、若い頃から生理のことは隠すように教育されている」と語り、世界の女性が毎月向き合う日常の当たり前をおおやけに語ることがタブーとされ、キレイな部分だけが美化されている現状に疑問を感じ、女性の心身の本音を見せたかったのだという。
このたび解禁された予告編は、本作の主人公ブリジットが“質問、30代半ばで何をすべきか?”と部屋で1人、切実すぎる悩みをPCに打ち込む姿から始まる。ブリジットは34歳で独身、大学も1年で中退、レストランの給仕として働く、身体も心も不安定な状態だ。
やがてブリジットは夏のナニー(子守り)の短期仕事をようやく獲得。しかし、喜びも束の間、子供との慣れない日々に加え、予期せぬ妊娠や、両親からのさまざまなプレッシャーなど様々な厄介ごとばかりが降りかかる。

ずっとうだつのあがらない日々を過ごすブリジットの人生に、ナニー先の6歳の少女フランシスや、その両親であるレズビアンカップルとの出会いにより、少しずつ変化の光が差してくる。「夏が終わる頃、私はもっと強くなる」、最後に差し込まれたメッセージが自分の人生に正直に向き合う全ての人々の心に優しく突き刺さる予告となっている。
『セイント・フランシス』は8月19日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネクイントほか全国ロードショー。

セイント・フランシス
2022年8月19日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネクイントほか全国ロードショー
監督:アレックス・トンプソン
脚本:ケリー・オサリヴァン
出演:ケリー・オサリヴァン、ラモナ・エディス・ウィリアムズ、チャーリン・アルヴァレス、マックス・リプシッツ、リリー・モジェク
2019年/アメリカ映画/英語/101分/スコープサイズ/5.1chデジタル/カラー
原題:Saint Frances
字幕翻訳:山田龍
配給:ハーク
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