チベット高地の過酷な自然とそこで逞しく生きる動物たちの姿を描いたドキュメンタリー映画『ベルベット・クイーン ユキヒョウを探して』が8月27日(土)より新宿K’s cinemaにて都内独占上映されるのを皮切りに全国順次公開されることが決定した。あわせて日本版ビジュアルが解禁された。

本作は、世界で名だたる野生動物写真家のヴァンサン・ミュニエと、フランスを代表する作家で地理学者のシルヴァン・テッソンが、地球上で最も手つかずの野生動物保護区であるチベット高原を横断する旅程を綴ったドキュメンタリー。

幻と言われるユキヒョウを探す二人の前には数々の希少動物たちが現れ、過酷な環境の中で生きる日常の姿を見せてくれる。あらゆる種の生命を包括して育む地球、自然と共存する動物たち。その中で私たち人間の役割とは。シルヴァンが綴る胸打つ言葉の数々を、ヴァンサンが撮る動物たちの愛らしくも逞しい表情と雄大で美しい自然風景で彩った感動作。
この壮大かつ繊細な作品を彩る音楽を手掛けたのは、世界中で熱狂的な人気を誇るシンガー・ソングライターのニック・ケイヴ、そして彼と長年タッグを組むウォーレン・エリス。作品に魅了された二人は自ら望んで全編にわたり劇中音楽を手掛けた。主題歌である「We Are Not Alone」をはじめ、映画の世界観に相応しい心に残る美しい楽曲はサウンドトラックとして各国でリリースされ大きな話題となっている。

本作に登場する動物たち photo by ヴァンサン・ミュニエ
ユキヒョウ
世界で最も高いところに生息する幻のネコ科動物。標高が高く険しい山々に暮らしていることから、その生態は謎に包まれている。頭からお尻までで1メートルほどで長いシッポが特徴的。密猟や気候変動などで減少傾向にあるとされ、現在の生息数は世界で約3,000頭といわれている絶滅危惧種。

マヌルネコ
ネコ科の動物の中では最も古い種。特徴的な厚い毛は雪の上や凍った地面の上に腹ばいになった時に体を冷やさないため。乾燥した高地の岩石で生活していて岩陰から覗いても目立たないように目が高い位置についている。かつては、毛皮目的とした狩猟の対象になっていた。近年では生息地減少により生息数が減少している。

チベットスナギツネ
チベット高原を中心にインド、生息しているネコ目イヌ科キツネ属動物。体長は57.5~70cm程。標高が高い荒れ地や草原で岩の下に巣穴を掘って生活している。IUCNレッドリストには絶滅の恐れが少ない「低危険種」に位置づけられている。

チベットアンテロープ(チルー)
チベット高原を中心に広く中国、インドのカシミール地方東部の高原に生息している。その細い毛がシャトゥーシュとよばれる高級毛織物に利用され個体数が激減。ワシントン条約により国際取引は禁止、中国やインドでは法的に保護されている。
ノヤク
ヒマラヤ原産のウシ科ヤクの野生原種。肩から伸びる長い毛や大きな蹄は、雪の多い山岳地帯での暮らしに適応するため。その生息地が減少しているほか、家畜のヤクが媒介する病気の問題もあり、生息数が減少している。

この映画の収益の一部は WWF ジャパン(公益財団法人世界自然保護基金ジャパン)に寄付されます。
◇WWF ジャパン(公益財団法人世界自然保護基金ジャパン)とは
WWF は 100 カ国以上で活動している環境保全団体で、1961 年にスイスで設立。人と自然が調和して生きられる未来をめざして、サステナブルな社会の実現を推し進めている。特に、失われつつある生物多様性の豊かさの回復や、地球温暖化防止のための脱炭素社会の実現に向けた活動を行なっている。
ベルベット・クイーン ユキヒョウを探して
2022年8月27日(土)新宿K’s cinemaにて劇場公開 全国順次公開
出演: ヴァンサン・ミュニエ シルヴァン・テッソン
監督: マリー・アミゲ ヴァンサン・ミュニエ
音楽: ニック・ケイヴ&ウォーレン・エリス
2021年/フランス/フランス語/92分/カラー/16:9
配給・宣伝:ArtSnow
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