ダイアナ元妃を描いた話題作『スペンサー ダイアナの決意』(10月14日公開)のプレミア試写会イベントが10月4日(火)に実施され、プロジェクトアンバサダーの米倉涼子、ハリセンボンの近藤春菜、そして映画コメンテーターLiLiCoがスペシャル MC として参加しイベントを盛り上げた。
1997年8月31日、ダイアナ元皇太子妃が交通事故で亡くなり、25 年。メモリアルイヤーの今年、全編アーカイブ映像のみで綴られる世界初の劇場版ドキュメンタリー『プリンセス・ダイアナ』と、主演のクリステン・スチュワートが第 94 回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた『スペンサー ダイアナの決意』の 2 作品の日本公開を盛り上げる“ダイアナプロジェクト”が発足。先週末より公開を迎えた『プリンセス・ダイアナ』は初週の 3 日間で、エリザベス女王逝去により連日満席が続いていた話題の作品『エリザベス 女王陛下の微笑み』超える成績で順調なスタートを切った。客層もダイアナの姿をリアルタイムで見ていた世代から、ダイアナを知らない 20 代までと幅広い世代に好評を博している。
続いて公開される『スペンサー ダイアナの決意』は、一人の人間として生きる道を選んだダイアナの、決意の3日間の物語。ダイアナを演じるのは、 『トワイライト』シリーズ、『チャーリーズ・エンジェル』のクリステン・スチュワート。キャリア史上最高の演技と称された渾身の演技で、アカデミー賞主演女優賞に初のノミネートを果たした。監督を務めるのは、『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』でジャクリーン・ケネディの知られざる姿を描き、主演のナタリー・ポートマンをアカデミー賞ノミネートに導いたパブロ・ラライン。鋭い洞察力と確かな手腕でダイアナの孤独と苦しみを静かに浮き彫りにする。
観客には事前に知らされずに当日のサプライズとして開催された本イベント。MC がゲストの名前を呼ぶと会場からどよめきが起こり、そんな中ダイアナプロジェクトアンバサダーの米倉と、スペシャルMC の LiLiCo が登壇。二人ともシルク素材のホワイトとピンクの淡い色の華やかな衣装で現れた。おもむろにお腹に手を当てながら登場した LiLiCo は、マイクを握ると早々に「実は今日これから小道具として使うフリップを準備しているときに、マジックで衣装を汚してしまいました」と明るく告白し、手でかくしていたシミを堂々とオープン! さらに、首元の大きなパールネックレスについても「劇中でダイアナのパールがキーアイテムとして登場するんですけど、家を出る30分前に私もパールを持っていることに気づきまして」とネックレスをごそごそすると「実はこれケータイの充電器で、USB がついているんです」と服の中に隠していた USB の先端を見せながらパールの秘密を大公開し、さっそく観客の心を掴む。
まずは映画とダイアナについて改めて振り返る米倉と LiLiCo。今年没後25年を迎えてもなお人々から愛されるダイアナの人気の秘密について、米倉は「ダイアナさんはファッションだったり、美しさだったり、人道支援をされるような優しさだったり、誰もが知るたくさんの魅力がありますが、ほかの人と違うのはやっぱり彼女が持つオーラかなと思います。どうしても彼女を見てしまう、目が離せないオーラこそが彼女の一番の個性なのではないかなと」とダイアナ独自の魅力を語る。
さらに、「ダイアナさんは愛にあふれた人として知られているけれど、その愛は家族の中では息子たちからしか受け取れなかったのかもしれない、ということがこの映画の中でも描かれるのです。彼女が一番欲していた“愛”そのものが彼女の一番の魅力でもあるのかもしれないですね」と“愛の人”ダイアナである所以について考えを示した。
そして、『スペンサー ダイアナの決意』のタイトルの「スペンサー」はダイアナの旧姓で、プリンセスからただのダイアナ・スペンサーに戻るという意味が込められていることから、自身に戻る瞬間はいつ?と聞かれた米倉。「う~ん、いつかな~」と悩みながらも「お風呂に入っている時間ですね。あと家にワンちゃんがいるんですが、一緒にいる時は素直に自分に戻りますね」とにっこり。癒しの時間を告白した。
そして映画全体の見どころについて話が及ぶと、「やっぱり主演のクリステン・スチュワートさんの演技ですね! 上目遣いとかダイアナそのまま。そしてとても苦しい時期のダイアナが描かれている映画なので、彼女自身も演じていて相当辛かったと思うのですが、気持ちを背負って全身で演技をしている姿がすごいなと思いました。表情での表現も細かくて、目の演技が素晴らしいです」とクリステンの演技を絶賛した。
また本日はもう一人、スペシャルゲストが呼ばれていた。MC から「ダイアナとも親交があった世界的スターが来日しました!」と、かなり煽られた後に、会場にダイアナの葬儀で演奏された「キャンドル・イン・ザ・ウインド」が流れはじめる。もしや、と会場の緊張感が高まったと同時に現れたのは、なんとエルトン・ジョン!!…の恰好をしたハリセンボンの近藤春菜。ピンクのスパンコールのジャケットと、ユニオンジャックを掲げたキーボードを肩にかけて、「ハーイジャパン!」と陽気に登場したが、リアクションに困った観客席からは大歓声ではなく、笑い声とともにまばらな拍手が沸き起こった。
これにはさすがのエルトンも「お客さんも戸惑ってるよね。一言言わせてください、エルトンじゃねーよ‼︎ 近藤春菜です!」と大きな声で自己紹介し、会場は再度笑いの渦に包まれた。そして米倉にMCから「今日はご友人がご一緒で心強いですね」とまさかの振りが入ると米倉も「私?…ダイアナじゃねーよ!」と困惑しながらしっかり、じぇねーよ、をやり遂げた。そのまますんなりとトークに入ろうとする近藤に、LiLiCoが「衣装はそのままでいいの?サングラスは?」と聞くと、「サングラス外すとただの浅草の師匠になっちゃうんで」と言って、サングラスは外さずエルトンを貫き続ける近藤の姿に米倉は終始爆笑していた。
登場してまずは映画の感想を聞かれた近藤は「クリステンさんが演じるダイアナも、映像も美しくてとても素敵な映画でした。…実はこのイベントのオファーを受けてから映画を見たんですが、見終わってから『この格好で出られない』と思いましたよ。こんな映画じゃないんです、この格好をして登場したこと、私が一番戸惑ってるんですから」と観客にコメディ映画ではないことをしっかりアピール。そこに米倉がすかさず「週に何回くらいダイアナに会っていたんですか?」と質問すると「週8かな。日曜は昼と夜も…ってエルトン・ジョンじゃねーよ!」と嬉しそうに反論していた。
そして本作のタイトルにちなみ、3人それぞれの「決意」を発表することに。LiLiCoは今朝の出来事を語り始め「誰がやった、とかは言わないですけどね。今日家を出てくるときに洗面所に茶色いシミがあったんですよ。聞いてみたらお茶だと。捨てたの?と聞くと捨てた、となんの悪びれもない返事が返ってくるんですよ。そこで私は“キレないこと”を決意しました」と旦那さんへの愚痴とともに発表すると、客席の女性客は拍手をしながら一緒にうなずく。米倉から「これまで何度同じ決意を?」と質問が飛ぶと、「数えきれないくらいです!」と笑顔で答えた LiLiCo だがその目は笑っておらず、近藤がすかさず、「いや、めちゃくちゃ目がキレてるから。怖いから」と突っ込む。
順番になり決意発表のフリップをめくろうとする近藤には、「ラーメン屋を継ぐという決意をされたと聞きました」「素敵なドキュメンタリーを撮り続けなけなきゃいけないですよね」「じゃあおいしいクッキーを焼かなきゃ…」というボケが次々と飛び出し、「角野卓造じゃねーよ!」「マイケル・ムーア監督じゃねーよ!」「ステラおばさんじゃねーよ!!」と「じゃねぇーよ!」の3コンボがテンポよく返された。スムーズなやりとりに近藤も「みんなよく知ってるな」と感心していた。そんな近藤の決意はずばり、「エルトン・ジョンさんにご挨拶」。近藤は「これまで角野さんや、フィンランドのハロネン前大統領には直接お会いしてそっくりだと認めていただいたんですけど、エルトンさんにはまだ会ったことがないので、ぜひ来年中には会ってご挨拶したいですね」と宣言した。
近藤の話をずっと笑いながら聞いていた米倉は「ちょっとこの流れで出すのは申し訳ないほどシリアスになっちゃうんですけど…」と前置きしつつ、「動ける体を取り戻す」と笑顔で発表。「最近体を壊してしまい、舞台も降板することになって多くの方にご迷惑をおかけしてしまったので…早く舞台の上にあがれるように取り戻してやる!」と心からの宣言を披露し、客席からは大きな拍手で応援が贈られた。「(こんなシリアスで)すみません」と恐縮しきりの米倉に、「私がいけないんです!」と近藤が反省。LiLiCoはフォローすることもなく「そうだと思います」とバッサリ。会場は笑いに包まれた。
最後にアンバサダーの米倉が、3人を代表してイベントの締めの挨拶を求められると、「ダイアナが決意を新たに一歩の踏みだす姿はとても美しく、私は勇気をもらいました。これから映画をご覧いただくのですが、きっと皆さんの背中も押してくれることと思います。ぜひお楽しみください」と力強く映画をアピールし、イベントは幕を閉じた。
『スペンサー ダイアナの決意』は10月14日(金)TOHO シネマズ 日比谷 ほか全国ロードショー。
スペンサー ダイアナの決意
2022年10月14日(金)TOHO シネマズ 日比谷 ほか全国ロードショー
STORY
1991 年のクリスマス。ダイアナ妃とチャールズ皇太子の夫婦関係はもう既に冷え切っていた。不倫や離婚の噂が飛び交う中、クリスマスを祝う王族が 集まったエリザベス女王の私邸サンドリンガム・ハウス。ダイアナ以外の誰もが平穏を取り繕い、何事もなかったかのように過ごしている。息子たちとのひと時を除いて、ダイアナが自分らしくいられる時間はどこにもなかった。ディナーも、教会での礼拝も、常に誰かに見られている。彼女の精神はすでに限界に達していた。追い詰められたダイアナは、生まれ育った故郷サンドリンガムで、今後の人生を決める一大決心をする――。
主演:クリステン・スチュワート(『トワイライト』シリーズ、『チャーリーズ・エンジェル』) ジャック・ファーシング(「風の勇士 ポルダーク」)、ティモシー・スポール(『英国王のスピーチ』)、サリー・ホーキンス(『シェイプ・オブ・ウォーター』、ショーン・ハリス『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』)
監督:パプロ・ラライン(『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』)
配給:STAR CHANNEL MOVIES
photo: Pablo Larrain
©2021 KOMPLIZEN SPENCER GmbH & SPENCER PRODUCTIONS LIMITED
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