「これは女性たちの語られざる旅の物語」気鋭監督エリザ・ヒットマンが新作『17歳の瞳に映る世界』を語る

第70回ベルリン国際映画祭銀熊賞（審査員グランプリ）、サンダンス映画祭2020ネオリアリズム賞受賞をはじめ、世界中の映画賞を賑わせている珠玉の物語『17歳の瞳に映る世界』が7月16日(金)全国公開。このたび本作のメガホンを取った新進気鋭の女性監督エリザ・ヒットマンのコメントが解禁された。

『17歳の瞳に映る世界』は17歳の少女たちが向き合う世界を鮮やかに活写した物語。少女ふたりの旅路を通して、どの国にも通じる思春期の感情と普遍的な問題をあぶり出す。製作には『ムーンライト』の監督・脚本のバリー・ジェンキンスをはじめ強力なプロデューサーが名を連ねている。

ペンシルベニア州に住むオータム（シドニー・フラニガン）は、愛想がなく、友達も少ない17歳の高校生。ある日、オータムは予期せず妊娠していたことを知る。ペンシルベニア州では未成年者は両親の同意がなければ中絶手術を受けることができない。同じスーパーでアルバイトをしている、いとこであり唯一の親友スカイラーは、オータムの異変に気づき、ふたりで事態を解決するため、ニューヨークへ向かう……。

監督のエリザ・ヒットマンは、性的アイデンティティに悩む青年を描いた第二作「ブルックリンの片隅で」(17/Netflix配信)で、2017年サンダンス映画祭監督賞を受賞し、一躍脚光を浴びた新進気鋭の女性監督。本作について彼女は「これは女性たちの語られざる旅の物語」と説明する。

そして主人公の少女ふたりの思春期ならではの強固な関係性が本作のポイントであることを明かす。「オータムが孤独な物語を抱えていること、それが暗闇であることを観客に感じ取ってほしい。一方で、スカイラーは無垢で楽観主義者。彼女にも状況を打開する解決策はないけど、彼女のエネルギーのおかげで、彼女たちふたりは旅の目的を果たすことができるのです」

そんな主人公ふたりの姿を捉えた場面写真も一挙に解禁。バスの座席に座り、外の景色を見ながら想いにふけるオータムや、病院の待合室でスカイラーがオータムを気遣う場面など、少女たちが不安を胸に抱きながら旅を続ける様子が確認できる。

＜監督・脚本＞エリザ・ヒットマン（Eliza Hittman）プロフィール
1979年、アメリカ、ニューヨーク州ブルックリン生まれ。カリフォルニア芸術大学で美術学修士を取得。2013年、『愛のように感じた』（7月公開予定）を製作。サンダンス国際映画祭NEXT部門でプレミア上映され、ニューヨーク・タイムズ紙の批評欄で取り上げられた。17年に製作した「ブルックリンの片隅で」(Netflix配信)は、サンダンス国際映画祭ドラマ部門のコンペティションでプレミア上映され、監督賞を受賞。さらにゴッサム・インディペンデント映画賞でブレイクスルー俳優賞を受賞するなど各国の映画祭を賑わせた。そして、長編映画三作目の本作で第70回ベルリン国際映画祭銀熊賞、サンダンス映画祭審査員ネオリアリズム特別賞を受賞。『17歳の瞳に映る世界』が日本劇場初公開となる。