西暦2024年の荒廃した地球を舞台に、少年とテレパシー犬のさまよえる旅が描かれる異色のSF黙示録ブラック・コメディ『少年と犬』がいよいよ明後日5月19日(金)より公開。このたび、各界の著名人から推奨コメントが到着した。また物販情報も解禁された。
1976年サターン賞最優秀男優賞とヒューゴー賞最優秀映像部門賞を受賞した本作は、西暦2024年の荒廃した地球を舞台に、少年とテレパシー犬のさまよえる旅が描かれる異色のSF黙示録ブラック・コメディ。1975年製作の本作は日本では劇場未公開となっていたが、映画の舞台となっている「この世が終わるとされる2024年」を目前に控え、緊急の日本劇場初公開となる。監督は、バイオレンス映画の巨匠サム・ペキンパー監督作品の常連俳優として知られるL・Q・ジョーンズ。少年ヴィックを演じるのは、当時25歳のドン・ジョンソン。テレパシー犬ブラッドの深みある声を担当しているティム・マッキンタイアは声の出演以外に音楽も担当。エンディングでは歌唱も披露している。
このたび日本初公開に先駆けて、本作を鑑賞した各界の著名人からの推奨コメントが届いた。RHYMESTERの宇多丸は「後半に登場する<滑稽なほど歪んだノスタルジーで出来たファッショな“新生”国家>との鮮やかな対比こそ、ひょっとしたらキモだし(『五分後の世界』や『侍女の物語』なども重なる)、なんなら今の目で観てタイムリーに感じられるあたりだと思う」と、本作に登場する地下世界のことに触れ、独自の目線で言及した。
カルチャー界のアイドル犬モコゾウは「先輩のワンダフルな名演技に脱帽です」と、少年ヴィックの相棒として活躍する犬ブラッドの名演技に感銘を受けたとコメント。映画評論家の柳下毅一郎は「ハーラン・エリスンの原作を読んでから40年間、待ち焦がれた伝説がついに世に放たれる日が来た」と、本作の日本初公開に期待を寄せた。SF&ファンタジー評論家の小谷真理は「70年代の作品とはとても思えない、現代的で予言的な物語だ。文明人が隠し持つ普遍の構造が、そこにある」と約50年前の作品でありながらも、普遍的な題材を突いていることに触れ、本作を絶賛。「6代目日ペンの美子ちゃん」「邦キチ!映子さん」の作者、漫画家の服部昇大は「衝撃のラストには本当に今年一番驚きました。そんなオチ、アリ……!?」と感想を寄せた。コメント全文・一覧は以下にて。
本作公開にあたり、劇場で「未来物販」としてTERROR FACTORYとのタイアップTシャツを販売(シネマート新宿・心斎橋ほか一部劇場にて公開日より取扱予定)。主人公の少年ヴィックと相棒犬ブラッド、背景には第四次世界大戦の核ミサイルによって発生したキノコ雲を収めたデザインとなっている。そして、牧眞司、渡部幻、高橋ヨシキ、セルジオ石熊(敬称略)によるコラム、用語解説などを収録した充実のパンフレットが販売。本編鑑賞とパンフレットで2024年の近未来に向け、予習復習と心の準備は万端だ。
2024年という限りなく近い未来に備え、我々がスクリーンと現実世界と言う名の荒野に見るのは果たして絶望か希望か。映画『少年と犬』は、5月19日(金)より、シネマート新宿ほか全国順次公開。
著名人の推奨コメント(敬称略/順不同)
宇多丸(RHYMESTER)
後に『マッドマックス2』が決定打となったポスト・アポカリプスものの先駆けとして語られることが多いこの『少年と犬』だが、一方で実は、後半に登場する「滑稽なほど歪んだノスタルジーで出来たファッショな“新生”国家」との鮮やかな対比こそ、ひょっとしたらキモだし(『五分後の世界』や『侍女の物語』なども重なる)、なんなら今の目で観てタイムリーに感じられるあたりだと思う。残念ながら……。
柳下毅一郎(映画評論家)
ハーラン・エリスンの原作を読んでから40年間、待ち焦がれた伝説がついに世に放たれる日が来た。
ヴィックが真の愛を見出すラブストーリーに涙せよ。
小谷真理(SF&ファンタジー評論家)
少年と犬との絆は、終末期の地獄を生き抜こうとすることがなにを意味するかを、教えてくれる。だが、ここに描かれた弱肉強食ギリギリの世界は、おぞましさと愉快な哀しみが共存する我々の世界と、どこかでつながっているだろう。70年代の作品とはとても思えない、現代的で予言的な物語だ。文明人が隠し持つ普遍の構造が、そこにある。
服部昇大(漫画家)
荒廃した未来、愚かな人類、何故か普通に喋ってる犬……。
これが来年の設定とは思えない、荒涼とした世界でひたすら食べ物と女を探す主人公。
昔のSF感あふれる展開と異様に芸達者な犬。そして衝撃のラストには本当に今年一番驚きました。
そんなオチ、アリ……!?
モコゾウ インスタグラム@usuix(https://www.instagram.com/usuix/)
相棒犬ブラッド先輩、どんな時代でも犬と人はやっぱり最高のパートナーなんですね!
先輩のワンダフルな名演技に脱帽です。
世界が荒廃した地獄のような状況でも、ヘソ天で寝られる先輩のようなカッケー男に僕もなりたい。あと、先輩が食べてたポップコーンがめちゃくちゃおいしそうでした!それにしても、なんで人間は戦争をやめないんですかね?(以上、モコゾウがテレパシーで伝えてきた感想を育ての母が代筆しました)
少年と犬
2023年5月19日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開
監督:L・Q・ジョーンズ 原作:ハーラン・エリスン
出演:ドン・ジョンソン、スザンヌ・ベントン、ジェイソン・ロバーズ
1975年/アメリカ映画/90分/カラー/シネマスコープ/原題:A Boy and His Dog/PG12
キングレコード提供 アンプラグド配給
A BOY AND HIS DOG © 1975, 1982, 1990 III LQJ, Inc. All Rights Reserved.
公式サイト unpfilm.com/boydog2024
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