北朝鮮に潜入したデンマークの元料理人が約10年間にわたって自身のスパイとしての二重生活を記録した“100%ノンフィクション”の衝撃ドキュメンタリー『THE MOLE(ザ・モール)』が10月15日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国順次公開されることが決定した。公開決定にあわせて、場面写真5点も解禁された。

本作は平凡なデンマークの一般市民が、CIAさえ容易に情報を掴めなかった北朝鮮の国際的な闇取引(武器密輸)のネットワークに潜り込み、その実態を赤裸々に暴いたドキュメンタリー。タイトルの「ザ・モール」は英語でモグラという意味で、そこからスパイという意味にもなる。
デンマークの元料理人が約10年間にわたって自身のスパイとしての二重生活を記録。コペンハーゲン出身で元麻薬密売人の相棒とともに、今、世界で最も謎に満ちた独裁国家・北朝鮮に潜入する。二人は、長い月日をかけて北朝鮮に向けて武器や麻薬を製造及び供給する国際犯罪組織の中枢へと潜り込んでいく。商談を重ね、契約を結び、やがて主人公はアフリカ某所で兵器と麻薬の密造工場建設計画に深く関わることとなる…
元料理人のウルリクと架空の石油王に扮したミスター・ジェームズのコンビが、北朝鮮の関係者たちを巧みに欺きながら盗撮を重ね、想像を絶する闇取引の奥底へと踏み込んでいく様は正真正銘の“リアル”スパイ活動の記録であり、あらゆるフィクションを超えた究極のサスペンスと臨場感がみなぎっている。




監督は日本でも『誰がハマーショルドを殺したか』(19)で話題を呼んだマッツ・ブリュガー。映画デビュー作『ザ・レッドチャペル』(2009)で北朝鮮の怒りを買い、入国禁止となった因縁を持つ北欧の鬼才が、ウルリクらが撮影した映像素材にナレーションや撮り下ろしのインタビュー・シーンを新たに加え、まさしく“全世界騒然”のスパイ・ドキュメンタリーを完成させた。
なお、本作は2020年秋に英国BBCと北欧のテレビ局、今年2月には「潜入10年 北朝鮮・武器ビジネスの闇」という題名でNHK-BSにて放送され、大きな反響を呼んだ。
あまりにもショッキングな内容ゆえに「本当にドキュメンタリーなのか?」という声が各方面から上がったものの、専門家による映像の鑑定を行ったブリュガー監督は「100%ノンフィクション」だと言明。
すでに国連とEUも本作の告発に関心を示しており、今後新たな国際調査へと発展していく可能性もある。本作はTV放送版に含まれなかった未公開シーンも追加し、再編版での上映となる。
監督︓マッツ・ブリュガー(『誰がハマーショルドを殺したか』)
1972年デンマーク生まれ。作家、監督。今までにいくつかの本を執筆し、雑誌や新聞にも寄稿しているジャーナリストであり、評価の高い深夜番組「The 11th Hour」や、ニュース番組「Deadline」の司会を務めたテレビ司会者である他、ラジオ番組のプロデュースを行い、賞も受賞。さらに、風刺的なTVドキュメンタリー·シリーズ「Danes for Bush」を考案した。長編ドキュメンタリー映画『ザ·レッド·チャペル』(09)で映画監督デビュー。同作にて2010年サンダンス映画祭ワールドシネマ·ドキュメンタリー部門の審査員賞を受賞した。また、2012年サンダンス映画祭出品作品『アンバサダー』(11)は、2014年のトーキョーノーザンライツフェスティバルでも上映され話題を呼んだ。『誰がハマーショルドを殺したか』(19)では、第2代国連事務総長ダグ·ハマーショルドの飛行機事故を追って世界中でインタビューを敢行。自らを狂言回し的な役割に置き、観客を迷わせつつも真相に迫っていくサスペンスフルでコミカルな独特のリズムが評価され、2019年の第35回サンダンス映画祭ワールドシネマ·ドキュメンタリー部門で監督賞を受賞。世界78もの映画祭で上映され、9つの受賞を果たした。米ハリウッド·レポーターの年間ベスト映画ランキングでは10位、世界304人の批評家が選ぶ2019年のベストドキュメンタリーでも12位に選ばれ、Hollywoodnews.comが選ぶ2019年ベストドキュメンタリー2位を獲得している。
THE MOLE(ザ・モール)
2021年10月15日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国順次公開
2020年/ノルウェー、デンマーク、イギリス、スウェーデン/135分/DCP/映倫区分G
原題「THE MOLE – UNDERCOVER IN NORTH KOREA」
© 2020 Piraya Film I AS & Wingman Media ApS
監督:マッツ・ブリュガー(『誰がハマーショルドを殺したか』)、出演:ウルリク・ラーセン
協力:NHKエンタープライズ 配給:ツイン
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