11月3日より全国公開され、TOHO シネマズ シャンテほかにて絶賛上映中の青春映画『恋⼈はアンバー』。このたび、主人公の母親役を演じる英国アカデミー女優シャロン・ホーガンとデイヴィッド・フレイン監督のインタビュー映像が解禁された。
アイルランドで2020年に封切られたのを皮切りに、世界各国で公開・配信されている本作は、アイルランド版アカデミー賞と評される「アイリッシュ映画&テレビ賞」(第17回)で8部門ノミネート、2部門受賞の快挙を成し遂げた青春映画。1995年、同性愛が違法でなくなってから2年後のアイルランド。同性愛者への差別や偏見が根強く残る田舎町で、自身がゲイであることを受け入れられない高校生・エディと、レズビアンであることを隠しているクラスメイトのアンバー。家族や同級生にセクシュアリティを悟られないように平穏に卒業を迎えるため、2人は“ニセモノの恋人”を演じることに!
本作の主人公であるゲイのエディを優しく見守る母親・ハンナを温かく演じているのが、英国アカデミー女優のシャロン・ホーガン。今年日本で公開された『シング・ア・ソング!~笑顔を咲かす歌声~』でも軍人の妻を演じ、名演技で話題となった。さらに、脚本家や製作者、そして監督としても活躍している。代表作に、ホーガンが企画・脚本・製作を務めた、サラ・ジェシカ・パーカーが出演する『Divorce/ディボース』などがある。
イギリスやアイルランドで数々のコメディ作品で賞を受賞してきたホーガン。『恋人はアンバー』は、セクシュアル・マイノリティというセンシティブなテーマを、自身も当事者であるデイヴィッド・フレイン監督の脚本と、彼女が得意とするシットコム・センスあふれる好演で、ユーモアも加えられて描かれたさわやかな青春映画として昇華している。
今回解禁されたインタビュー映像では、本作の舞台の2年前の1993年までアイルランドで同性愛は犯罪で、離婚も1995年の国民投票が実施されるまで自由にできなかったという衝撃の事実が語られている。また監督自身が「個人的なこと」と語る、「自分自身が道徳に反するだけでなく、違法だった」10代の経験が詰め込まれた脚本などについて語っている。
『恋⼈はアンバー』はTOHO シネマズ シャンテほか絶賛上映中。
シャロン・ホーガン&デイヴィッド・フレイン監督のインタビュー
デヴィッド・フレイン監督
私はゆっくり考え、そして速く書く傾向があります。このアイデアは数年前に思いついていましたし、個人的なことだったので、これについて長い間考え続けていました。それが、素敵な形で完全体の物語になっていきました。その後は細かい部分を調整し、俳優を探すだけでした。
シャロン・ホーガン
アイルランドで離婚に関する国民投票がおこなわれた時期が舞台だけど、そんなに前のことではないと考えるとクレイジー。興味深く、変化の多い時代で、それが(私が演じた)ハンナの背景になっています。彼女も変化していて、長男の新たな一面を見つけていきます。もちろん、彼女は息子を心配しています。1990年代は、ゲイだとカミングアウトしなければならない子にとって厳しい時代でした。
デヴィッド・フレイン監督
この映画では、親が子どもを意図的に傷つけようとしていないことがとても大切でした。どんな親もそうだけど、思わず傷つけるようなことを言います。傷つけるために言っているのではないことでも、子どもが誤解することはあります。
舞台はアイルランドで、離婚に関する国民投票がおこなわれた1995年です。1993年にようやく同性愛が非犯罪化されたことで、私にとって、それは自由化の始まりでした。ごく最近のことだと考えると、とても衝撃的です。当時10代として過ごしていたその時、自分自身が道徳に反するだけでなく、違法だったということです。それがこの映画の舞台背景です。そして現在まで急速に、同性婚を認め、憲法が修正されるなど、すばらしい変化が起こりました。性別認定法もそうですね。それが現代的なアイルランドの始まりだと感じました。
とても普遍的な物語だと思います。若い俳優たちとの会話で素晴らしいと感じたのは、彼らが自身の学生生活を振り返り、この映画を共感できると言っていたことでした。本作の中心にあるのは、友情の物語です。ふたりが未来になる人物像を形作ってくれた初恋の物語なんです。みんなにそういう人がいると思うし、いてほしいと思います。そういう理由で、物語の設定を超えて人々に訴える映画だと思います。
恋⼈はアンバー
2022年11⽉3⽇(⽊・祝) TOHO シネマズ シャンテほか全国公開
STORY
1995年、同性愛が違法ではなくなってから2年後のアイルランド。いまだ差別・偏見が根強い田舎町で、自身がゲイであることを受け入れられない高校生・エディと、レズビアンであることを隠しているクラスメイトのアンバー。家族や同級生にセクシュアリティを悟られないように平穏に卒業を迎えるため、2人は“偽装カップル”を演じることに⁉ 性格も趣味も全く違う2人だったが、ぶつかりあいながらも、悩みや夢、秘密を打ち明けるうちに、唯一ありのままの自分をさらけ出せる、かけがえのない存在になっていく。しかし、一緒に訪れた都会・ダブリンで、特別な出会いを果たし、新しい世界に触れた2人は、“理想的”だったこの関係にも終わりが近づいていることに気づいてしまい…。
監督・脚本︓デイヴィッド・フレイン
挿⼊歌︓PULP「Mile End」、Brenda Lee「You Can Depend on Me」、U2「All I Want Is You」、GIRLPOOL「Cut Your Bangs」ほか
出演︓フィン・オシェイ、ローラ・ペティクルー、シャロン・ホーガン、バリー・ワード、シモーヌ・カービー
原題︓Dating Amber 後援︓アイルランド⼤使館 提供︓Watcha Japan 配給︓アスミック・エース
2020 年/アイルランド/92 分/ビスタ/5.1ch
© Atomic 80 Productions Limited/ Wrong Men North 2020, All rights reserved.
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