多彩なプログラムでアジア映画の魅力を紹介する「第20回大阪アジアン映画祭」が3月14日(金)から3月23日(日)まで開催。このたび、審査委員(コンペティション部門、芳泉短編賞)、ゲスト情報が決定し、予告編が解禁された。
コンペティション部門全13作品のなかから、グランプリ(最優秀作品賞)と来るべき才能賞(審査委員会が最もアジア映画の未来を担う才能であると評価した方に授与)を選定するコンペティション部門審査委員に、映画『星くずの片隅で』のアンジェラ・ユン(香港/俳優)、スペシャル・オープニング作品『愛の兵士』監督のファルハット・シャリポフ監督(カザフスタン/OAFF2025『愛の兵士』監督)、1980年代からミニシアター文化を牽引する Bunkamura ル・シネマのプログラミング・プロデューサー中村由紀子(日本/ル・シネマ プログラミング・プロデューサー)が決定した。

また映画祭全部門で上映される60分未満の作品のうち、日本初上映22作品のなかから最も優秀な作品を選定する芳泉短編賞審査委員には、『狂舞派』で香港監督協会最優秀新人監督賞を受賞したアダム・ウォン監督(香港/OAFF2025『私たちの話し方』監督)、長編デビュー作『返校 言葉が消えた日』が大ヒットしたジョン・スー監督(台湾/OAFF2025『鬼才の道』監督)、「溝口健二論――映画の美学と政治学」で芸術選奨新人賞を受賞した映画研究者の木下千花(映画研究者)が決定した。

アンジェラ・ユンは香港のトップモデルで、映画『宵闇真珠』(2017/ジェニー・シュン、クリストファー・ドイル共同監督)でオダギリジョーと共演し、Vaundy の「Tokimeki」のMVに起用され、日本でも注目を集めた。映画『星くずの片隅で』(OAFF2023)の卓越した演技が評価され、第59回金馬奨、第41回香港電影金像奨の最優秀主演女優賞にノミネートされ、一躍香港を代表する新進気鋭の俳優となった。映画『離れていても』(東京国際映画祭 2023)、台湾ドラマ版「梨泰院クラス」など話題作に多数出演し、第49回香港国際映画祭(2025)アンバサダーに就任し、国境を越えて活躍の場を広げている。
ファルハット・シャリポフ監督は、第20回大阪アジアン映画祭のスペシャル・オープニング作品『愛の兵士』の監督。前作『SCHEME』(2022)がベルリン国際映画祭ジェネレーション 14plus 国際審査員グランプリを受賞した、新世代のカザフスタン映画の旗手として注目されている。
中村由紀子は、1989年のBunkamura ル・シネマのオープン当初からプログラミング・プロデューサーを務め、その芸術性の高い、こだわりあるアートハウス目線を貫いた独自の作品選定は、多くの映画ファンに支持されている。
アダム・ウォン監督は、第20回大阪アジアン映画祭コンペティション部門『私たちの話し方』の監督。本作の主演ジョン・シュッイン(『作詞家志望』(OAFF2024))が、第61回金馬奨最優秀主演女優賞を受賞し、第43回香港電影金像奨7部門ノミネートされた。大阪アジアン映画祭では、『狂舞派』『狂舞派 3』(OAFF2014/21)が上映された。
ジョン・スー監督は、白色テロという題材をホラー映画のパッケージに落とし込んで日本でも大ヒットした映画『返校 言葉が消えた日』(2019)の監督。第20回大阪アジアン映画祭では、特集企画<台湾:電影ルネッサンス 2025>にてオカルト・コメディ『鬼才の道』が上映される。
木下千花は、映画研究者で京都大学大学院人間・環境学研究科教授で、著書『溝口健二論 映画の美学と政治学』(法政大学出版局)は芸術選奨新人賞を受賞した。
ゲスト情報
全67作品中、香港、カザフスタン、モンゴル、フィリピン、台湾、タイ、日本などからおよそ50作品のゲスト約85名が登壇する。
メイン会場であるABCホール初日の3月19日(水)に行われるスペシャル・オープニング上映には、日本初上映となるカザフスタンのミュージカルエンタテインメント映画『愛の兵士』のファルハット・シャリポフ監督が登壇。上映に先立ち行われるスペシャル・オープニングセレモニーでは、国内外から多数のゲストが登壇し盛り上げる。
最終日3月23日(日)の授賞式に引き続いて行われるクロージング上映には、49年間逃亡の連続企業爆破犯・桐島聡の半生を描いた社会派エンターテインメント映画「桐島です」の高橋伴明監督、脚本家の梶原阿貴、製作総指揮の長尾和宏が登壇予定。7月4日からの全国公開に先立ち、世界初上映となる。
そのほか、『おばあちゃんと僕の約束』で78歳にして俳優デビューを果たした、いま世界で最もホットな“おばあちゃん” ウサー・セームカム、タイBLドラマ「Jack and Joker」への出演などで知られる『タクリー・ジェネシス』ワナラット・ラッサミーラット、ドラマ「サイルブ リップグロス」主演が話題になった『団地少女』パコーン・チャットボリラックなど、タイから話題のゲストが多数登壇。
世界初上映となる『我が家の事』には台湾の人気俳優ツェン・ジンフア、『サイレント・シティ・ドライバー』のジャンチブドルジ・センゲドルジ監督は前作『セールスガールの考現学』で一気に注目の監督に。ほかに『イェンとアイリー』トム・リン監督、『私たちの話し方』アダム・ウォン監督、『鬼才の道』ジョン・スー監督、『V. MARIA』宮崎大祐監督、『Good Luck』足立紳監督など、国内外から多数のゲストが登壇する。
ゲスト情報については現在調整中の作品もあり、随時更新される。最新情報は公式HPスケジュールページ(https://oaff.jp/oaff2025/schedule/)にて。
第20回大阪アジアン映画祭(OSAKA ASIAN FILM FESTIVAL 2025)
会期:2025年3月14日(金)から3月23日(日)まで
上映会場:ABCホール、テアトル梅田、T・ジョイ梅田、大阪中之島美術館
主催:大阪映像文化振興事業実行委員会(大阪市、一般社団法人大阪アジアン映画祭、大阪商工会議所、公益財団法人大阪観光局、朝日放送テレビ株式会社、生活衛生同業組合大阪興行協会、株式会社メディアプラス)
公式サイト https://oaff.jp
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