水俣病の存在を世界に知らしめたのが写真家ユージン・スミスの物語をジョニー・デップ製作・主演で映画化した『MINAMATA−ミナマタ−』(9月23日)の公開を記念し、水俣病を長期にわたり記録し続けた土本典昭監督の水俣を描いた代表作品『水俣─患者さんとその世界─〈完全版〉』、『水俣一揆─一生を問う人びと─』を特別上映することが決定した。9/11(土)〜9/23(木)まで2週間限定公開でユーロスペースで上映される。

土本典昭監督
日本を代表する記録映画作家が見つめた、水俣病患者達の闘いの記録

上映されるのは次の2作品。1973年モントリオール世界環境映画祭グランプリ、1972年ベルン映画祭銀賞、1972年マンハイム・ハイデルベルク国際映画祭フィルムデュキャット賞など数多くの賞を受賞。チッソを相手に裁判を起こした29世帯を中心に、潜在患者の発掘の過程を描き、「水俣病」を世界に知らしめた記録映画の記念碑的作品『水俣─患者さんとその世界─〈完全版〉』 (71)。生涯の医療と生活の補償を求め、チッソ本社と水俣病患者との直接交渉を同時録音を駆使し生々しく記録した長編ドキュメンタリー『水俣一揆─一生を問う人びと─』(73)。

『水俣─患者さんとその世界─〈完全版〉』
©︎塩田武史
『水俣一揆─一生を問う人びと─』

これらの作品を手掛けたのは、社会的な弱者に目を向けた多くのドキュメンタリー映画を発表しつづけ、水俣病問題をライフワークとしてあわせて17本の映画を制作した記録映画作家、土本典昭監督。蒸気機関車で働く機関士と助士を描いた『ある機関助士』(63)で監督デビューし、翌年に発表した『ドキュメント 路上』(64)では、ベネチア国際映画祭特別審査員賞を受賞。1965年、テレビ作品「水俣の子は生きている」で初めて水俣病患者を取材し、その現状に衝撃を受けて以来40年間、“水俣病のある現場”に関わり続け、水俣病事件の真相と実態を、常に患者の側に立って記録し続けた。

水俣病が公式に確認されてから65年目を迎える今年。映画『MINAMATA―ミナマター』公開を前に、土本監督が描く水俣病患者たちの、人間としての尊厳をかけた闘いの記録をスクリーンで確かめよう。上映スケジュールは以下の通り。

土本典昭監督作品特別上映

<上映期間>
9/11(土)〜9/23(木)まで 2週間限定公開

<上映劇場・スケジュール>
【ユーロスペース】http://www.eurospace.co.jp/

9/11(土)〜9/17(金)
11:00『水俣─患者さんとその世界─〈完全版〉』
14:15『水俣一揆─一生を問う人びと─』

9/18(土)〜9/23(木)
11:00『水俣一揆─一生を問う人びと─』
13:15『水俣─患者さんとその世界─〈完全版〉』

◎『水俣─患者さんとその世界─〈完全版〉』
1971年/167分/16mm/モノクロ/東プロダクション

◎『水俣一揆─一生を問う人びと─』
1973年/108分/16mm/モノクロ/青林舎

*Blu-ray上映

<公式HP>
【土本典昭監督作品特別上映】longride.jp/minamata/tsuchimoto

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作品情報

MINAMATA−ミナマタ−
2021年9月23日(木・祝)TOHOシネマズ 日比谷他にて全国公開

【ストーリー】1971年、ニューヨーク。アメリカを代表する写真家の一人と称えられたユージン・スミスは、今では酒に溺れ荒んだ生活を送っていた。そんな時、アイリーンと名乗る女性から、熊本県水俣市にあるチッソ工場が海に流す有害物質によって苦しむ人々を撮影してほしいと頼まれる。水銀に冒され歩くことも話すことも出来ない子供たち、激化する抗議運動、それを力で押さえつける工場側。そんな光景に驚きながらも冷静にシャッターを切り続けるユージンだったが、ある事がきっかけで自身も危険な反撃にあう。追い詰められたユージンは、水俣病と共に生きる人々にある提案をし、彼自身の人生と世界を変える写真を撮る──。 

製作:ジョニー・デップ
監督:アンドリュー・レヴィタス 脚本:デヴィッド・ケスラー
原案:写真集「MINAMATA」W.ユージン・スミス、アイリーンM.スミス(著)
出演:ジョニー・デップ、真田広之、國村隼、美波、加瀬亮、浅野忠信、岩瀬晶子and ビル・ナイ
音楽:坂本龍一

2020年/アメリカ/英語・日本語/115分/1.85ビスタ/カラー/5.1ch/原題:MINAMATA/日本語字幕:髙内朝子

提供:ニューセレクト株式会社、カルチュア・パブリッシャーズ、ロングライド
配給:ロングライド、アルバトロス・フィルム

© 2020 MINAMATA FILM, LLC  
© Larry Horricks

公式サイト:longride.jp/minamata/

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