『燃ゆる女の肖像』のセリーヌ・シアマ監督の長編2作目『トムボーイ』が9月17日(金)より新宿シネマカリテほかで公開。このたび新たな場面写真が一挙解禁された。

「アイデンティティーの探求とその落とし穴を描いたエポックな作品」(Los Angeles Times)

本作は、2019年のカンヌ国際映画祭で脚本賞とクィア・パルム賞を受賞した『燃ゆる女の肖像』のセリーヌ・シアマ監督による2011年製作の長編2作目。2011年ベルリン国際映画祭でのプレミア上映では「思いがけない笑いと涙を誘われる。忘れがたい場面でいっぱい」(The Hollywood News)、「アイデンティティーの探求とその落とし穴を描いたエポックな作品」(Los Angeles Times)など絶賛と共に迎えられ、テディ賞審査員特別賞を受賞。 そのほかブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭や、オデッサ国際映画祭などの主要賞を獲得し、低予算のインディペンデント作品ながら、本国フランスでの劇場公開時には30万人動員の大ヒットを記録するという異例の快挙を成し遂げた。

夏休み、家族と共に新しい街に引っ越してきた10歳のロール。引っ越し先で「ミカエル」と名乗り、新たに知り合ったリザたちに自分を男の子だと思い込ませることに成功する。やがてリザとは2人きりでも遊ぶようになり、ミカエルとしての自分に好意を抱かれていることに葛藤しつつも、お互いに距離を縮めていく。しかし、もうすぐ新学期。夏の終わりはすぐそこまで近づいているのだった…。

このたび解禁された新たな場面写真では、ロール/ミカエルの目を奪われる表情のショット、妊娠中の母と笑顔を交わす姿や、父との静かなひととき、おしゃまな妹ジャンヌのチュチュ姿らが切り取られている。太陽の光を感じる屋外のショットと、温かさやシックさを感じる屋内のショットの質感の違いも印象的だ。

数々の名シーンを生んだ撮影を担当したのはクリステル・フルニエ。監督の長編デビュー作『水の中のつぼみ』、『トムボーイ』に続く『ガールフッド』でも撮影として参加した。『トムボーイ』では主にキヤノンEOS 7Dというデジタルカメラが使用されたという。

シアマ監督は「この映画が要求するしなやかさ、軽さなどに、完璧に対応したカメラでした。色がいいし、視野の深さが気に入っています。子供の身長に合わせて撮影するのも容易でした。“今、ここで”という一面は、この映画にふさわしいものですね」と語る。

撮影期間わずか20日間、経済的な制約も大きい中で製作された、インディペンデント・スピリットに溢れた本作。音楽のパラ・ワン(『ガールフッド』『燃ゆる女の肖像』他に参加)、編集のジュリアン・ラシュレー(シアマ監督長編全作品の編集を担当)ら、「チーム・シアマ」と言っても過言ではない布陣で作られた、のちの大成を予期させる本作。監督自らが手掛けた大胆でスリリングな脚本や、キャストのドキュメンタリーと見紛うまでの繊細な演技と併せて、制作陣の手腕にも注目だ。

作品情報

トムボーイ
2021年9月17日(金)より新宿シネマカリテ他にてロードショー

監督:セリーヌ・シアマ『燃ゆる女の肖像』
出演:ゾエ・エラン、マロン・レヴァナ、ジャンヌ・ディソン
2011|フランス|カラー|フランス語|82分|原題:Tomboy  

後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ東京/ユニフランス
配給:ファインフィルムズ

© Hold-Up Films & Productions/ Lilies Films / Arte France Cinéma 2011

公式サイト:http://www.finefilms.co.jp/tomboy/

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