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本年度・第93回アカデミー賞で国際長編映画賞、長編ドキュメンタリー賞の2部門にノミネートされた話題のルーマニア映画『Colectiv(原題)』が、邦題『コレクティブ 国家の嘘』として10月2日(土)にシアター・イメージフォーラム、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開。このたび本作をいち早く鑑賞した、日本を代表するジャーナリストやメディア編集長など、各界著名人27名から絶賛コメントが到着した。

日本を始め世界中のあらゆる国が今まさに直面する医療と政治、ジャーナリズムが抱える問題に迫る

ルーマニア・ブカレストのライブハウス“コレクティブ”で2015年10月に実際に起こった火災を発端に、明らかになっていく製薬会社や病院、そして政府や権力へと繋がっていく衝撃的な癒着の連鎖。本作は、命よりも利益や効率が優先された果てに起こった国家を揺るがす巨大医療汚職事件の闇と、それと対峙する市民やジャーナリスト達を追った、フィクションよりもスリリングな現実を捉えたドキュメンタリー映画だ。

“まるでリアル『スポットライト 世紀のスクープ』だ”とも評される本作は、命の危険を顧みず真実に迫ろうとするジャーナリストたちの奮闘に思わず手に汗握るだけでなく、日本を始め世界中のあらゆる国が今まさに直面する医療と政治、ジャーナリズムが抱える問題に真っ向から迫っており、ドキュメンタリーでありながら本年度アカデミー賞のルーマニア代表として選出され、国際長編映画賞、長編ドキュメンタリー賞の2部門でノミネートを果たした。そのほか、世界各国の映画祭で32もの賞を獲得した。

本作では地道な取材を行うスポーツ紙の編集長や記者にカメラを向け、身の安全が脅かされながらも報道を通じて権力と向き合うジャーナリストの生きざまを捉えていく。インディ・ワイアーが「ジャーナリズムについて描く映画史上、最も偉大な作品だ」と評すなど海外で圧倒的な賛辞を得てきた本作を、日本を代表するジャーナリストやメディア編集長など、各界著名人も絶賛する。

「個人の強い意志で社会は変えられることを示す、渾身のドキュメンタリー」と評するのは東京新聞記者の望月衣塑子。そのほか、「news23」メインキャスターの小川彩佳、TBS系「報道特集」キャスターの金平茂紀など日本を代表するジャーナリスト達からコメントが寄せられた。

忖度なしのスクープを連発し、日本におけるジャーナリズムを体現するメディアの編集長からもコメントが到着。週刊文春編集長の加藤晃彦は「始まりは、記者の情熱と覚悟。負けていられない」、赤旗日曜版編集長の山本豊彦は「不都合な真実を隠す権力とそれを暴こうとする記者。遠くの国の話でない」など、わが身に置き換えてのコメントが印象的だ。

また、カメラは事件に関わる政策の管轄である現職保健省大臣の執務室にも入り、ジャーナリストとは異なる立場から“国家の嘘”に立ち向かう者の姿も映し出す。そんなドキュメンタリー映画の常識を覆す“深度”でテーマを掘り下げていく本作に対して、ゲームクリエイターの小島秀夫は「これが本当に“ドキュメンタリー”なのか?と疑う程にカメラは肉薄する」と感嘆する。

こうした映画の姿勢に対して、ドキュメンタリー映画の監督として知られる映画監督/作家の森達也は「日本ではこんな映画は作れない。ならば同じことが起きてもわからない」、ドキュメンタリー監督の大島新は「この映画は、メディアや市民が絶え間ない監視を続けることの大切さを、骨の髄まで教えてくれる」とコメント。

そのほか、有田芳生(参議院議員)、五百旗頭幸男(ドキュメンタリー映画監督・記者)、上西充子(法政大学教授)、内田樹(文学者、翻訳家)、宇都宮健児(弁護士)、貫洞欣寛(「BuzzFeed Japan News」編集長)、駒井尚文(「映画.com」編集長)、鮫島浩(政治ジャーナリスト)、せやろがいおじさん(お笑い芸人・YouTuber)、想田和弘(映画作家)、ダースレイダー(ラッパー)、武田砂鉄(ライター)、中川敬(ミュージシャン/ソウル・フラワー・ユニオン)、原一男(映画監督)、古舘寛治(俳優)、前川喜平(現代教育行政研究会代表)、町山智浩(映画評論家)、丸山ゴンザレス(ジャーナリスト)、安田菜津紀(NPO法人Dialogue for People副代表/フォトジャーナリスト)から、それぞれの言葉で綴られたコメントが寄せられた。

『コレクティブ 国家の嘘』に寄せられたコメント(五十音順/敬称略)

国家スキャンダルを記者集団が暴いていく。核心人物が謎の死を遂げる。
ペンを持つ若き大臣の手の動きに見える内心。すべて映像が記録した衝迫力あふれる現代史だ。
――有田芳生(参議院議員)

国家ぐるみの腐敗で奪われる命。遠い国の話だと達観できるだろうか。
国家の無策で失われる命を、今私たちは祖国で見続けている。
――五百旗頭幸男(ドキュメンタリー映画監督・記者)

国家も医療も報道も、たやすく本来の使命から逸れていく。
絡めとられぬよう、まずは直視せよと導くドキュメンタリー。
――上西充子(法政大学教授)

日本のすべての政治部記者たちに『みなさん、これが記者会見の世界標準ですよ』と言いたい。
――内田樹(神戸女学院大学名誉教授)

「腐敗した医療システム」と「国家の嘘」に敢然と立ち向かうスポーツ紙記者と若き保健相に感動した。
――宇都宮健児(弁護士)

為政者が平気で嘘をつくという絶望的な状況が、世界中に広がっている。残念ながら、日本でも、だ。
この映画は、メディアや市民が絶え間ない監視を続けることの大切さを、骨の髄まで教えてくれる。
――大島新(ドキュメンタリー監督)

「皆が黙っていたことが、国の嘘を許したんです」市民として、伝え手として、どうあるべきか。劇中の言葉に胸が疼く。
――小川彩佳(「news23」メインキャスター)

スクープが、新たな内部告発を生み、時代を動かす。
その始まりは、記者の情熱と覚悟。負けていられない。
――加藤晃彦(「週刊文春」編集長)

命よりも儲けか? 民をまもるはずの医学が、国家と癒着した時に何が起きるか。
2015年のルーマニアの光景は、いま私たちがみているコロナ禍の風景と全く二重写しだ。
メディアの役割も突きつけられた。
――金平茂紀(TBS系「報道特集」キャスター)

政府に冷遇される小メディアでも、事実を暴けば社会は動く。
日本で私たちはどうするか。胸が熱くなる。
――貫洞欣寛(「BuzzFeed Japan News」編集長)

これが本当に“ドキュメンタリー”なのか?と疑う程にカメラは肉薄する。現場や遺族、関係者に。そして、そこで暴かれる“国家の嘘”に。これが“ドキュメント(現実)”であっていい訳はない!と憤ってしまう。ただこの“嘘”の国家を命がけで正そうとする記者達と大臣の“現実”だけは唯一の救いではある。
――小島秀夫(ゲームクリエイター)

描かれる医療の闇は暗くて深い。そこに切り込む新聞記者はとても勇気がある。
だけどもっとも驚くべきは、いち早くクルーを仕立てて密着撮影を始めた監督です。
圧倒的な撮れ高に、ただただ感心しました。
――駒井尚文(「映画.com」編集長)

国家の嘘は感染症より怖い。
パンデミックで医療・製薬業界の利権が世界規模で拡大する今こそ必見の映画だ。
――鮫島浩(政治ジャーナリスト)

ジャーナリズムは腐敗と対峙するためのツールに過ぎない。
「手に取らなきゃ」と強烈な焦燥感に駆られた。
――せやろがいおじさん(お笑い芸人・YouTuber)

ドキュメンタリストであれば誰もが夢見るような驚異的な撮れ高と被写体へのアクセスに、あんぐりと口を開けっぱなしの109分でした。凄い映画です。
――想田和弘(映画作家)

芯まで腐ってる!
医療スキャンダルを追求する記者、立て直しを図る新保健相、クライマックスの選挙。
人間と社会の本質に迫る凄まじい作品!
――ダースレイダー(ラッパー)

権力者はどんな時も「安全」「安心」と言う。
権力者はどんな時も「私はよく知らない」と言う。
だからこそ、どんな時も問い詰めなければいけない。
――武田砂鉄(ライター)

ポピュリスト政権の腐敗、不正と闘うジャーナリズムの真髄、悲劇からの再生を、重層的に観せる驚異的な一本!
――中川敬(ミュージシャン/ソウル・フラワー・ユニオン)

吸血鬼ドラキュラ公の国・ルーマニア。コンサート会場の火事という災難から救い出された命が病院での感染症によって絶命する不条理をきっかけに汚濁にまみれた政治と医療界の癒着と汚職が明らかになる。あまりにシュールな展開に私は言葉を失って画面に見入っていた。
――原一男(映画監督)

衝撃。国家という組織の腐敗。
世界はなぜこんなにも似ているのか。今絶対に観るべき映画だ。
――古舘寛治(俳優)

金まみれの医療、根まで腐った政治、その実態を暴く調査報道、立て直しを図る新任大臣…。
私たちが目撃するのは、絶望の淵で希望を求め苦闘する人間の姿だ。
――前川喜平(現代教育行政研究会代表)

間違った医療政策で人々が亡くなる。
それは日本でも起こった。ただ『コレクティブ 国家の嘘』に感動するのは、新聞記者と保健大臣が事実を追及するからだ。
それは日本では起こっていない。
――町山智浩(映画評論家)

医薬品に対して絶対の信頼が揺らぐ。世界がコロナで揺れる今だから、権力と生活の関わりを描いた本作の問いかけは重い。これは決して対岸の火事ではない。「無関心は人を殺す」のである。
――丸山ゴンザレス(ジャーナリスト)

事件を掘り下げた記者たちがたどり着いたのは、政治・医療マフィアの底なしの闇だった。
絶望と脅しにさらされても、善を信じる記者と政治家は挑み続けた。
個人の強い意志で社会は変えられることを示す、渾身のドキュメンタリーだ
――望月衣塑子(東京新聞記者)

すごい映画を観た。まずはこれに尽きる。誰だってそう思う。次にあなたは思う。
なんてひどい国だ。私たちの国はまだましだ。でもならば考えてほしい。
私たちの国は記者会見が一般公開されていない。
自分たちの執務をドキュメンタリーで撮られることを了解する大臣もいない。
つまり日本ではこんな映画は作れない。ならば同じことが起きてもわからない。
一人でも多くの人に観てほしい。そして気づいてほしい。
権力監視について私たちの国は圧倒的に遅れているのだと。
――森達也(映画監督/作家/明治大学特任教授)

驚いた。腐敗の深さに対してだけではない。会見で鋭く食い下がる記者たちの姿に、だ。私たちの感覚、麻痺してはいないだろうか。
――安田菜津紀(NPO法人Dialogue for People副代表/フォトジャーナリスト)

記者の息遣いまで感じられる、世界的スクープの記録だ。
不都合な真実を隠す権力とそれを暴こうとする記者。遠くの国の話でない。
――山本豊彦(「赤旗日曜版」編集長)

作品情報

コレクティブ 国家の嘘
2021年10月2日(土)シアター・イメージフォーラム、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー

【STORY】
2015年10月、ルーマニア・ブカレストのクラブ“コレクティブ”でライブ中に火災が発生。27名の死者と180名の負傷者を出す大惨事となったが、一命を取り留めたはずの入院患者が複数の病院で次々に死亡、最終的には死者数が64名まで膨れ上がってしまう。カメラは事件を不審に思い調査を始めたスポーツ紙「ガゼタ・スポルトゥリロル」の編集長を追い始めるが、彼は内部告発者からの情報提供により衝撃の事実に行き着く。その事件の背景には、莫大な利益を手にする製薬会社と、彼らと黒いつながりを持った病院経営者、そして政府関係者との巨大な癒着が隠されていた。真実に近づくたび、増していく命の危険。それでも記者たちは真相を暴こうと進み続ける。一方、報道を目にした市民たちの怒りは頂点に達し、内閣はついに辞職へと追いやられ、正義感あふれる大臣が誕生する。彼は、腐敗にまみれたシステムを変えようと奮闘するが…。

監督・撮影:アレクサンダー・ナナウ
出演:カタリン・トロンタン、カメリア・ロイウ、テディ・ウルスレァヌ、ブラッド・ボイクレスクほか

2019年 / ルーマニア・ルクセンブルク・ドイツ / ルーマニア語・英語 / 109分予定 / ビスタ / カラー / 5.1ch / 原題:Colectiv / 英題:COLLECTIVE / 配給:トランスフォーマー

©Alexander Nanau Production, HBO Europe, Samsa Film 2019

公式HP:transformer/m/colectiv

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