待望の全国公開を迎え、胸アツな反響が続出している『義足のボクサー GENSAN PUNCH』。その製作現場に密着したメイキング映像が解禁された。フィリピンの名匠ブリランテ・メンドーサ監督のインタビューや、主演・尚玄のトレーニング風景などが満載の特別映像となっている。

「障がい単体に焦点を当てないようにしようと決めました」

『キナタイ -マニラ・アンダーグラウンド-』(09)で第62回カンヌ国際映画祭監督賞を受賞、『ローサは密告された』(16) など、不条理な社会でもがきながら懸命に生きる人々を撮り続けてきたフィリピンの名匠ブリランテ・メンドーサ監督の最新作『義足のボクサー GENSAN PUNCH』は、プロボクシングライセンスが取得できない日本からフィリピンへと渡り、プロボクサーを目指した“義足のボクサー”を描く感動作。

今回、大ヒットを記念して解禁されたのは、メンドーサ監督と尚玄の製作現場に密着したスペシャル・メイキング映像。映像は物語の舞台となるジェンサン地区のジムに到着した尚生(尚玄)の微笑みから始まり、メンドーサ監督が語り始める。「尚玄とタカ(プロデューサー・山下貴裕)にはカンヌで出会いましたが、私は2016年の『ローサは密告された』のためそこに行っていました。そこで彼らは自己紹介し、私たちと将来一緒に仕事をしたいと言ってくれたので私は“もちろんさ”と答えました」と“映画のはじまり”を振り返る。

「私は日本、特に沖縄の文化はよく知らない」と伝えたといい、「物語はボクサーについてでしたが、当時の私はスポーツものの映画を撮ったことがありません。ですからこれが初めてのスポーツ映画です。全く異なるジャンルなのでとてもワクワクしました」と、社会派監督にとって新たなチャレンジになったと明かす。

脚本家のホニー・アリピオが続ける。「社会問題を扱うスポーツ映画をどうやってつくればいいのか。キャラクターが困難に直面し、それを乗り越えていくというストーリーが予想できました。ですがこの映画は、障がいを抱えた日本人ボクサーの実話がもとになっています。彼は自国でライセンスを取得することができません。だから夢を追うためにジェネラル・サントスに行きました」と解説する。その言葉に重なる映像では、ボクシングジムでプロボクサーたちと激しいトレーニングを続ける尚玄の姿が印象的に紹介されていく。

ホニーの書いた物語と日本人ボクサー(土山直純)のファクトシートを受け取った編集&コンサルタントのアーマンド・ラオは、「脚本を読み、初期編集の本編を視聴したとき、障がい単体に焦点を当てないようにしようと決めました。そこには“差別”というもっと深い問題があったからです」と、単に“義足”にフォーカスするのではなく、主人公の奮闘を通して更に大きなテーマを見据えた。「素晴らしいボクサーであるのに、障がいがあるからプロとして戦うことを認めてくれない」現実への挑戦を描くことを提案したのだ。

「このようにしてストーリー、映画製作、そして私たちの共同作品はスタートしました」というメンドーサ監督は、「もちろん私たちのメンターであるアーマンド・ラオの助言があったからこそ、編集においてさえも最後まで成し遂げることができたのです」と、コンサルタントのアーマンド・ラオへの感謝の言葉で締めくくっている。

沖縄からフィリピンへ。夢を諦めずに生き続ける男を描く感動の実話『義足のボクサー GENSAN PUNCH』は大ヒット上映中。

作品情報

義足のボクサー GENSAN PUNCH
2022年5月27日(金)沖縄先行、6月3日(金)TOHOシネマズ日比谷にて先行公開、6月10日(金)全国公開

監督:ブリランテ・メンドーサ プロデューサー:山下貴裕、クリスマ・マクラン・ファジャード、尚玄
出演:尚玄、ロニー・ラザロ、ビューティー・ゴンザレス、南果歩  
2021/ビスタ/5.1ch/110分/原題:GENSAN PUNCH

配給:彩プロ

©2022「義足のボクサー GENSAN PUNCH」製作委員会

公式サイト gisokuboxer.ayapro.ne.jp

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