イギリス、サウスウエストの港湾都市ブリストルを拠点に 1987 年から 1995 年まで活動していた伝説的レーベル「サラ・レコーズ」を描いたドキュメンタリー映画『マイ・シークレット・ワールド』が、東京シアター・イメージフォーラムにて、8月13日(土)と14日(日)の二日間限定で上映されることが決定した。ニューヨークの伝説的レコードショップを追った『アザー・ミュージック』(9月10日公開)の日本公開を記念した上映となる。

カジヒデキ、福富優樹、堀江博久によるコメントも到着

「サラ・レコーズ」は、ジンを通して繋がり、プライマル・スクリームのライブ会場で出会ったクレア・ワッドとマット・ヘインズの二人によって創設されたインディペンデントレーベル。ファンとアーティストの繋ぐための独自の取り組みや、オリジナリティあふれるジンをレコードに封入するなどユニークな運営・広報によって、当時、一大シーンを作り、のちのアーティストやレーベルにも大きな影響を及ぼした伝説的レーベルだ。

「ヘブンリー」や「ザ・ドラムス」、「ザ・シー・アーチンズ」、「ザ・オーキッズ」、そして曽我部恵一率いるバンド「サニー・デイ・サービス」の由来となった「アナザー・サニー・デイ」など、のちに「フリッパーズ・ギター」等に多大な影響を与えることになる、ネアアコ/インディーポップのバンドが多数所属していた。本作は、創設者の二人や、所属していたミュージシャン、ファンや関係者へのインタビューを通じて、サラ・レコーズの 8 年間の軌跡とその魅力に迫るドキュメンタリー。

本作の企画・配給は、映画チア部大阪支部によるもの。関西のミニシアター・シーンを盛り上げるために学生を中心に有志で設立された同団体は、関西の映画宣伝活動のほか、自社配給・上映会を行なってきた。『マイ・シークレット・ワールド』は昨年、大阪シネ・ヌーヴォでのみ上映され、このたび都内で初上映となる。

また、本作の都内初公開に寄せて、ミュージシャンのカジヒデキ、鍵盤弾きの堀江博久、バンド・Homecomings の福富優樹よりコメントが到着した。コメント全文は以下にて。

8/13(土)・14(日)のイメージフォーラムでの上映時間は 21:15〜、両日ともゲストによるトークショーを予定している。8 月 13 日(土)には、me and you の竹中万季、8 月 14 日(日)には堀江博久が登壇する。

コメント一覧

マンチェ、シューゲイザー、インディーダンス、グランジ、そしてブリットポップ!
あのマッチョな荒波の時代を、DIY の強い信念とプライドを高く持って、果敢に闘い泳ぎ続けたサラ・レコードのクレアとマットを誇りに思います!!
サラが存在した 8 年間、僕自身は彼らを崇拝したり、少し距離をおいたり色々ありましたが、この作品を観てすべてを愛おしく感じることが出来ました。
もっと高い評価を得るべき素晴らしいレーベルだったと、深く感じています。
――カジヒデキ(ミュージシャン)

僕たちが Homecomings をはじめた頃、ライブハウスや遊びに行ったイベントで知り合った人はみんな口々に sarah record の 7inch のことについて話していました。クラブイベントとはまた違う DJ や、物販のテーブルに並ぶ zine に缶バッチ、会場に飾り付けられた風船、The Pains Of Being Pure At Heart、Wallflower、Fandaze。ギターポップやネオアコのキラキラしたアルペジオは僕にとって、そしてHomecomings にとって原点でもあり、ちょっとした青春の 1 ページなのです。元気にしていますか? この映画を通じて、久しぶりにみんなとおしゃべりできたような、そんな気持ちにもなってしまったのでした。
僕が一番好きなのは 58 番、The Hit Parade の“In Gunnersbury Park”。京都のアート・ロック No1 というレコード屋さんで見つけたとき、本当に嬉しかったです。
――福富優樹(Homecomings)

ぼくはクレアさんと同じ世代です。
20 代の時、サラ・レコーズのようなクルーエルやエスカレーター・レコーズといった、インディのレコードレーベルで演奏したり、曲を書き作品をリリースしたりしました。この時の自分の出した音やメロディに、周りのみんながいいねって興味を持ってくれたことが、今自分が歩んでいる道につながっていきます。『マイ・シークレット・ワールド』を観て、この瞬間しかない閃きは、ほんと一瞬で終わります。大事にしていきたいです。
――堀江博久(鍵盤弾き)

作品情報

マイ・シークレット・ワールド
2022年8月13日(土)&14日(日)シアター・イメージフォーラムにて 2 回限定公開

[監督・製作]ルーシー・ドーキンズ
[出演]クレア・ワッド、マット・ヘインズ、アメリア・フレッチャー、ジェイコブ・グラハム、カルビン・ジョンソン、エヴェレット・トゥルー
2014 年 / イギリス=オーストラリア / カラー /英語 /102 分 原題 : My Secret World: The Story of Sarah Records 日本語字幕:森彩子

企画・配給・宣伝: 映画チア部大阪支部 協力: Gucchiʼs Free School、シネ・ヌーヴォ、出町座

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