ジョニー・デップが製作・主演を務め、伝説の写真家の遺志を継ぎ伝える衝撃の感動作『MINAMATA−ミナマタ−』が9月23日(木・祝)にTOHOシネマズ 日比谷他にて全国公開。このたび9月2日に行われたジョニー・デップとアンドリュー・レヴィタス監督の記者会見映像が公開された。

「この作品に参画することに全く迷いはありませんでした」

熊本県水俣市のチッソ水俣工場による工業排水を原因とし、現在まで補償や救済をめぐる問題が続く日本における“四大公害病”のひとつ水俣病。その存在を世界に知らしめたのが、写真家ユージン・スミスとアイリーン・美緒子・スミスが1975年に発表した写真集「MINAMATA」だ。

ジョニー・デップ自身が長年の憧れだったと語るユージン。彼の遺作ともなったこの写真集を基に、ジョニー自身の製作・主演で待望の映画化が実現した。映画では、報道写真家として功績を評価されながらも心に傷を抱えたユージンが、当時の妻アイリーンとともに水俣を訪れ1971年から1974年の3年間現地で暮らし、人々の日常や抗議運動、補償を求め活動する様子を何百枚もの写真に収めていく濃密な日々がドラマチックに描かれる。ユージン・スミスに扮するジョニーの演技について監督は「ジョニーにはユージンと似ている部分がある。2 人の目にはいつも希望の輝きがある」と称賛。当時のユージンを知る人たちからもそっくりとの声が上がっている。

主演だけでなく、プロデューサーとして本作に携わっているジョニー。なぜこの映画に参加しようと思ったのか尋ねられると「この作品に参画することに全く迷いはありませんでした。なぜ私がプロデューサーとして参画したかと言うと、単純に作られるべき映画だと思ったからです。日の目を見るべき映画だと思ったのです」と本作の意義を語る。

そして「お伝えしたいのはこの物語の重要性です。第一にこれは、多くの人を苦しめた出来事です。第二に今も世界中で同じようなことが起きています。まさに今も私たちは苦しんでいますよね。いわばウイルスと戦争をしているような状況です」「私たち一人一人が見えない敵と日々戦っているわけです。ですから本作はこの時代にこそ見てほしい作品です」と映画に対する強い気持ちを熱く語った。

最後に日本での公開に向け、メッセージを求められるとジョニーは「本作を気に入り楽しんでもらえることを祈ります。そしてこの映画で描かれていることが少しでも皆さんの心を動かし影響を与えられたらと思います」と語り、さらに「私たちがすべきことは本当にシンプルです。自分に何ができるのか考えてください。人のために何ができるのか、他の人のために自分にできることはないか、それを考えることが大切です」とメッセージを残した。

あわせて各界の著名人より本作への絶賛コメントが到着した。歌手の加藤登紀子、フリーアナウンサーの宇垣美里、最新刊「水俣 天地への祈り」が今月出版され、その著書である田口ランディ、『人新世の「資本論」』著者の経済思想家、斎藤幸平や人類学者の磯野真穂、 写真家の岩波友紀の6名が本作に応援の声を寄せた。

コメント一覧 *順不同、敬称略

●加藤登紀子(歌手)
号泣しました、何年分も。私達の時代の罪深さに。水俣の地元の人たちの抑制された表情も、起こったことの酷さも、ものすごく伝わってきます。坂本龍一さんの音楽が素晴らしい!

●宇垣美里(フリーアナウンサー)
傷だらけになりながらも魂をかけて撮影されたユージンの写真には水俣病患者とその家族の悲しみ、怒り、愛が克明に焼き映されていた
強いものが弱いものを痛めつけてる
その構造は四十数年経った今も何一つ変わっていない

●田口ランディ(作家/「水俣 天地への祈り」)
水俣病事件を通して、世界中で起きている公害問題、環境汚染問題に光を当てる問題作。国を超え共に人類の行く末を考えていこう、という、ジョニー・デップのメッセージを受け取った。コロナ時代の指針となる映画だ。

●斎藤幸平(経済思想家)
経済か、命か。命と自然を犠牲にしても利潤を貪る資本主義の暴力性に立ち向かったのは、草の根の市民運動だった。公害史は資本主義の暗黒史であり、絶望的状況を前にした懸命の市民運動の歴史でもある。だからこそ、「社会は変わらない」と嘆く前に、誰もが「Minamata」を学ばなければならないのだ。

●磯野真穂(人類学者)
「なかったこと」にすれば、明日はとりあえず穏やかかもしれない。
でも「なかったこと」にしなければ未来に希望が灯るかもしれない。
これは「なかったこと」にすることを拒んだ人たちの壮絶な戦いの軌跡だ。

写真は撮られる者だけでなく、撮る者の魂すら奪う。
だから、本気で撮れ。

そう言い放つユージンの魂をこの映画から感じて欲しい。

●岩波友紀(写真家/2020年ユージン・スミス賞受賞)
公害問題と同時に、傷を負い続けたひとりの写真家の物語。たった1枚の写真が、どれほどの時間と葛藤を費やして生まれたか。撮る人と撮られる人の関係を泥臭くも美しく、そして激しい水俣の事象が静かに描かれているからこそ、心に突き刺さってくるのです。

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作品情報

MINAMATA−ミナマタ−
2021年9月23日(木・祝)TOHOシネマズ 日比谷他にて全国公開

【ストーリー】1971年、ニューヨーク。アメリカを代表する写真家の一人と称えられたユージン・スミスは、今では酒に溺れ荒んだ生活を送っていた。そんな時、アイリーンと名乗る女性から、熊本県水俣市にあるチッソ工場が海に流す有害物質によって苦しむ人々を撮影してほしいと頼まれる。水銀に冒され歩くことも話すことも出来ない子供たち、激化する抗議運動、それを力で押さえつける工場側。そんな光景に驚きながらも冷静にシャッターを切り続けるユージンだったが、ある事がきっかけで自身も危険な反撃にあう。追い詰められたユージンは、水俣病と共に生きる人々にある提案をし、彼自身の人生と世界を変える写真を撮る──。 

製作:ジョニー・デップ
監督:アンドリュー・レヴィタス 脚本:デヴィッド・ケスラー
原案:写真集「MINAMATA」W.ユージン・スミス、アイリーンM.スミス(著)
出演:ジョニー・デップ、真田広之、國村隼、美波、加瀬亮、浅野忠信、岩瀬晶子and ビル・ナイ
音楽:坂本龍一

2020年/アメリカ/英語・日本語/115分/1.85ビスタ/カラー/5.1ch/原題:MINAMATA/日本語字幕:髙内朝子

提供:ニューセレクト株式会社、カルチュア・パブリッシャーズ、ロングライド
配給:ロングライド、アルバトロス・フィルム

© 2020 MINAMATA FILM, LLC  
© Larry Horricks

公式サイト:longride.jp/minamata/

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