園子温監督がハリウッドでついに監督デビューを果たす『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』より、主演ニコラス・ケイジが見事な日本語を使いこなすシーンが特別解禁された。また、ニコラスが日本への思いなどを語ったコメントも解禁。叔父にあたるフランシス・フォード・コッポラとの思い出エピソードも披露している。

「一生懸命働いたことに感謝してもらえる。とてもありがたく思っている」

園子温とニコラス・ケイジという二つの才能の奇跡的な融合から生まれた痛快エンターテインメント『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』。このたび解禁された本編映像は、ニコラス・ケイジ演じるヒーローが、ゴーストランドでバーニス(ソフィア・ブテラ)と子供たちにお茶をご馳走になる場面だ。

子供たちは見知らぬ来訪者に怯えた表情をしているが、ヒーローが「ありがとうございました」とお茶を受け取り、一口飲んだ後に「美味しい」と日本語で礼儀正しく気持ちを伝える。その姿にゴーストランドに住む子供たちと、ヒーローとの心の距離が一気に縮まってゆく、そんな温かいシーンだ。

9月中旬に行われたインタビューでニコラスは、劇中の日本語について、「とても上手でしたね!」と褒められると、子供のころ父親に「日本語は未来の言語だ、ビジネス面で助けになる」とロサンゼルスのオレンジ郡にある日本学校に4年生から入学したというエピソードを語ってくれた。

悲しいことに、僕は学んだ日本語をほとんど覚えていない。覚えていたらよかったのにと思うよ。彼(父)は正しかったんだ」とほとんど日本語を覚えていないことを後悔していると語った。

しかし、本作は滋賀県の彦根市をメインに撮影され、園子温組のスタッフをはじめほとんどが日本人という現場で「覚えた日本語はありますか?」と問われると「“お疲れさまです”(日本語で)。それが僕が大好きな日本語だよ。“お疲れさまです”。一生懸命働いたことに感謝してもらえる。とてもありがたく思うよ。アメリカには「お疲れさまです」って日常的に言うようなことはないからね。だからその言葉だよ」と「お疲れ様です」にこめられた感謝の気持ちが気に入ったことを教えてくれた。

日本語にまつわる話の中で、映画監督でありニコラス・ケイジの叔父、フランシス・フォード・コッポラとのエピソードを思い出したニコラスは、こんな話も披露してくれた。

「面白い話をするね。僕が子供の頃、サンフランシスコの叔父のお屋敷によく行ったんだ。フランシス(・フォード・コッポラ)おじさんは、ソニーの社長と友達だった。彼の名前はサムっていうんだ。彼が、フランシスにハイって言うために、東京からやって来た。大きなパーティーだったよ。フランシスは、彼の甥が日本学校に通っていることを自慢しようとしたんだ。そしたら、ソニーの社長のサムは、“オッケー。もし日本語を話せるなら、どんな言葉を知っているの?”って言った。それで僕は、“ヤサイ”って言ったんだ。彼は、“おお、オッケー。それは興味深いね。ほとんどの人々は、グッドモーニングとかハローとか言うのに、きみは『野菜』って言ったね”って言っていた。なぜ僕がそう言ったのかわからない。愚かだね。でも、可笑しかったよ」

作品情報

プリズナーズ・オブ・ゴーストランド
2021年10月8日(金)より、TOHOシネマズ日比谷他全国ロードショー

【STORY】
世界を牛耳る悪徳ガバナー(ビル・モーズリー)の魔の手を逃れたバーニス(ソフィア・ブテラ)をゴーストタウンから連れ戻すよう命じられた悪名高き銀行強盗ヒーロー(ニコラス・ケイジ)。決められた時間内にサムライタウンに戻らねば自身の命が危ない!ヒーローの運命やいかに?!

フェリーニ、ホドロフスキーに通じる悪夢的世界、マカロニウエスタン、チャンバラ、SF・・・ジャンルを横断する「フィクションならではの楽しみ」が映画から溢れ出る!不可能に挑戦し続ける、狂暴かつ強烈なふたつの才能の、奇跡的な融合から生まれた痛快エンターテインメントがここに誕生した。


監督:園子温
ニコラス・ケイジ ソフィア・ブテラ ビル・モーズリー ニック・カサヴェテス
TAK∴ 中屋柚香 YOUNG DAIS 古藤ロレナ 縄田カノン
脚本:アロン・ヘンドリー レザ・シクソ・サファイ 音楽:ジョセフ・トラパニーズ
原題:Prisoners of the Ghostland

2021/アメリカ/105分/カラー/PG-12 提供:POTGJPパートナーズ

配給:ビターズ・エンド

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