レオス・カラックス監督最新作『アネット』(4月1日公開)より、強烈で幻想的なビジュアルに思わず目を奪われる本編映像が解禁された。アダム・ドライバー&マリオン・コティヤールの2人が嵐の洋上でワルツを踊りながらデュエットするシーンだ。

「あなた酔ってる」「そうでもないさ」

常に世界に衝撃を与えつづけてきた鬼才監督レオス・カラックスの最新作『アネット』はアダム・ドライバーと実力派マリオン・コティヤールを主演に迎え、監督が初めて全編英語でミュージカルに挑んだ作品。兄弟バンド「スパークス」がストーリー仕立てのスタジオアルバム「アネット」として構築していた物語が、カラックスの出会いによって映画へと発展し、唯一無二の作品が完成した。

今回解禁された本編映像では、嵐が吹き荒ぶ洋上でヘンリー(アダム・ドライバー)とアン(マリオン・コティヤール)のふたりが、ワルツを踊りながら歌うシーンが切り取られている。

攻撃的なユーモアセンスをもったスタンダップ・コメディアンのヘンリーと、国際的に有名なオペラ歌手のアン、彼らは“美女と野人”とはやされる程にかけ離れていたが、その二人が恋に落ち、世間から注目されるようになる。しかし、娘のアネットが生まれたことで、彼らの人生と精神に不穏な空気が流れ始めてしまう。

映像では「嵐が近づいてるわ」「知ってるさ。嵐の中で踊ろう」「あなた酔ってる」「そうでもないさ」というセリフのやり取りが繰り広げられ、渦中の2人の歯車が少しずつ狂っていく様子が、強烈で幻想的な嵐の映像とともに捉えられている。

カラックスは元来デジタルを嫌い、グリーンバック合成なども好まず、本物の森や本物の海を撮影することを望む監督。しかし、本作では、実際的条件から重要シーンの多くが、昔の撮影所のようにスタジオ内で創意工夫して作り出され、特殊なセットで撮影された。この洋上でのシーンもその一部である。

そのため美術・衣装・撮影など技術スタッフ間で"スクリプト・テク"と呼ばれる部門ごとの詳細を記した台本が共有され、相互に連携し議論しながら現場作業が進められた。色彩についても「夜の“黒”をベースにどう色を配置していくか」「ヘンリーを象徴する“緑”や、アンの“黄色”をどう使うか」などを細かく検討し、一つ一つ議論の上でインパクトある画面作りが実現した。カラックス監督の初期から彼を支えるネリー・ケティエ(編集)のほか、彼を理解する仲間によって『アネット』のポエティックで複雑な世界が具現化されている。

『アネット』は4月1日(金)ユーロスペースほか全国ロードショー。

作品情報

アネット
2022年4月1日(金)ユーロスペースほか全国ロードショー

監督:レオス・カラックス  
原案・音楽:スパークス 歌詞:ロン・メイル、ラッセル・メイル & LC
キャスト:アダム・ドライバー、マリオン・コティヤールほか
上映時間:140分
原題:Annette

配給:ユーロスペース

© 2020 CG Cinéma International / Théo Films / Tribus P Films International / ARTE France Cinéma / UGC Images / DETAiLFILM / Eurospace / Scope Pictures / Wrong men / Rtbf (Télévisions belge) / Piano

公式サイト annette-film.com

あわせて読みたい

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事