2021年カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品、ジャック・オディアール監督×セリーヌ・シアマ脚本の話題作『パリ13区』が4月22日(金)、新宿ピカデリーほかにて全国公開。若者たちが身体を重ねるシーンを美しく、印象的に映し出した本作はどのように撮影されたのか、その驚きの演出方法が明らかにされた。

ミレニアル世代の男女4人の、孤独や不安、愛やセックスにまつわる人間模様が描かれる『パリ13区』。一足先に映画を鑑賞した人たちからは「めちゃくちゃリアルだけど、まるで絵画のように綺麗」「繊細かつ大胆」と、その映像美を絶賛する声が続々と上がっている。
そんな本作のセックスシーンは“振付師”が手がけたものだった。まるでミュージカル映画のダンスシーンように、動作一つ一つに振付がされていたという。
ノラ役を演じた『燃ゆる女の肖像』のノエミ・メルランは、撮影を振り返り、次のように語る。「振付師のステファニー・シェンヌと一緒に準備を行いました。体は言葉と同じくらい語るものですから、親密なシーンを通してできる限り多くのことを表現したいと思っていました。セックスシーンでの動きやしぐさの多くは、ダンスのように振り付けられたものです。セックスシーンに関しては、しっかりと準備を行い、そこに何か役割があると考えることが重要です。そうしたシーンも作品の一部であることを実感し、リラックスできるからです」。
さらにオディアール監督も「出演者の経験値はさまざまでしたから、製作前の段階で相当な準備を行いました。リハーサルはもちろんですが、セックスシーンにできるだけ落ち着いて臨めるよう、体や動きに関しては個別に指導の場を設けました」とその意図を話した。
振付師によるセックスシーンの指導は本作特有の珍しい方法。キャストの心身を尊重するオディアール監督だからこそ生まれた演出方法である。インティマシー・コーディネーター(ドラマやテレビの撮影現場でセックスシーンやヌードシーンを専門とするコーディネーター)が注目され始めた日本でも、今後こういった方法がとられていくのかもしれない。

あわせて新場面写真も解禁。ノラとカミーユが愛を交わす美しいシーンが映し出されている。
『パリ13区』は4月22日(金)、新宿ピカデリーほかにて全国公開。
パリ13区
2022年4月22日(金)、新宿ピカデリーほかにて全国公開
監督:ジャック・オディアール 『君と歩く世界』『ディーパンの闘い』『ゴールデン・リバー』
脚本:ジャック・オディアール、セリーヌ・シアマ『燃ゆる女の肖像』、レア・ミシウス
出演:ルーシー・チャン、マキタ・サンバ、ノエミ・メルラン『燃ゆる女の肖像』、ジェニー・ベス
原作:「アンバー・スウィート」「キリング・アンド・ダイング」「バカンスはハワイへ」エイドリアン・トミネ著(『キリング・アンド・ダイング』『サマーブロンド』収録:国書刊行会)
2021年/フランス/仏語・中国語/105分/モノクロ・カラー/4K 1.85ビスタ/5.1ch/原題Les Olympiades 英題:Paris, 13th District/日本語字幕:丸山垂穂/R18+
提供:松竹、ロングライド 配給:ロングライド
©︎ShannaBesson ©PAGE 114 - France 2 Cinéma