映画『ミセス・ハリス、パリへ行く』(11月18日公開)の特別試写会withDIORが11月9日(水)に都内で開催され、上映前にはディオール ジャパン アンバサダーの新木優子と本作の字幕監修を手掛けた元VOGUE編集長でファッションジャーナリストの渡辺三津子が登壇し、トークイベントを実施した。
『ポセイドン・アドベンチャー』他数々の名作を生みだした小説家ポール・ギャリコの原作「ハリスおばさんパリへ行く」を映画化した『ミセス・ハリス、パリへ行く』は第二次世界大戦後の1950年代、ディオールの美しいドレスに魅せられ、ロンドンからパリへと渡って大冒険を繰り広げる家政婦ミセス・ハリスの物語。夢をあきらめなかった彼女に起きる、素敵な奇跡とは? いくつになっても夢を忘れないミセス・ハリスから勇気をもらえるハッピーストーリーだ。主演を務めるのは『ファントム・スレッド』でアカデミー賞にノミネートされたレスリー・マンヴィル。『ピアニスト』『エル ELLE』のイザベル・ユペールが共演。
この日のイベントに、ディオールオートクチュールの豪華なドレスと、総額約5千万円の1点ものの豪華なジュエリーを身に着け、煌びやかな衣装で登場したのは、ディオール ジャパン アンバサダーも務める新木優子。一回転してドレスを観客に向けて披露し、会場からはその美しさに歓声の声が上がった。
新木は「ディオールのドレスをこれまでも何回か着る機会はあったのですが、このドレスが一番しっくりきます。細部にわたるまで自分のためだけに作られた特別なドレスで着ていると気分も上がります」とパリのメゾン ディオールを訪れて作ったオートクチュールドレスの見事な着心地を語った。
字幕監修を手掛けたファッションジャーナリストの渡辺は「メゾン ディオールが全面協力した映画と聞き、ぜひやりたいと思い挑戦しました。ファッション界の空気を短い字幕の中で表現するのは難しかったけれど、この映画を通じて感じてもらえたら嬉しいです」と初挑戦した字幕監修の感想を明かした。
主人公のハリスが活躍する本作を観て、新木は「いくつになっても夢や希望を持ち続けることって大切なんだと思いました。女性のための映画だと思われるかもしれませんが、男女問わず、みんなに希望を与える映画だと思います!」と幅広い客層に向けて映画をアピール。
主人公ハリスについては「頼もしい!そして主人公のようにポジティブなマインドを持つことで、周りを明るくしたり、場を盛り上げたりしていて、ポジティブでいることが大切だと改めて感じました。私もポジティブなマインドでいることを大切に持ち続けたいと思いました」といい、渡辺もその意見に同意しつつ「ポジティブさにプラスして、ユーモアも大切だと感じました。ユーモアのセンスで初めて訪れた土地でも初対面の人々とすぐに打ち解けていて、人間として見習いたいなと思いました」と主人公のハリスから学んだことを明かした。
日常的に服を選ぶときは、新木は「その日の気分に合わせて服を選んでいて、当日に服を選ぶことが多いのですが、明日は絶対にあの靴を履きたい!とか、今日だったらディオールの映画の試写会なので、ディオールの“バー・ジャケット”を着ていこう!とか、服やアクセサリーでテンションを上げることがあります」と明かした。
渡辺もコロナ禍でファッションを楽しむ機会が減ってしまったことを嘆きつつ、「久しぶりに参加したパリのショーで、明日はどの服を着ていこう?と毎日考えるのが楽しみで、改めてファッションというものが、どれだけ自分の気持ちや生き方に影響を及ぼしているかに気付いた」とファッションが持つ力について語り合った。
ディオールのドレスを諦めなかった主人公にちなみ、諦めなくてよかったと思うことを聞かれた新木は「学生時代、この先どうしようかと進路に悩んだ時期に雑誌のレギュラーモデルに決まって、実際にファンの方に会ったりする機会ができて、直接気持ちを伝えてくれるファンの方の声を聴いたときに、この仕事を続けてきて良かったなと思いました」と、ファンへの感謝の気持ちを語った。
本作に登場するディオールについて渡辺は「戦後初めてのディオールのショーが1947年に開かれたのですが、そこで発表されたのが“バー・スーツ”で、ファッション誌ではニュールックと呼んだのですが、それまでの戦時中の質素な服装から一転して、贅沢な布使いで女性らしいシルエットを生み出したファッションをディオールが提示し、世界中に衝撃を与えました」と、映画に描かれた当時のディオールが与えたインパクトを解説した。
最後に、会場に集まったこれから映画を鑑賞する観客に向け、渡辺は「とにかくハッピーになれる映画なのでぜひ観て、そして自分ならどんなドレスを作りたいかを具体的に想像して楽しんでほしい」とアドバイスし、新木は「この映画を観て、夢や希望、勇気をもらったので、皆さんにもそう感じていただける作品だと思います。観終わった後に心があったかくなって、自分にもキラキラしたものが待っているんじゃないかと思える映画なので、ぜひそのハッピーな気持ちを持って帰っていただき、明日はどんなファッションを着ようか?と考える幸せな時間が皆様にも訪れるのを願っています」と締めくくった。
最後には新木の「皆さんに素敵な奇跡がおきますように!」という掛け声で、金色と銀色の箔がキラキラと上から舞い降り、その美しい光景に魅了された観客の温かい拍手に包まれながら、大盛況のうちにトークイベントは幕を下ろした。
『ミセス・ハリス、パリへ行く』は11月18日(金)TOHOシネマズ シャンテ、渋谷ホワイトシネクイント他全国ロードショー。
ミセス・ハリス、パリへ行く
2022年11月18日(金)TOHO シネマズ シャンテ、渋谷ホワイトシネクイントほか全国公開
STORY
第二次世界大戦後のロンドン。夫を亡くした家政婦ミセス・ハリス(レスリー・マンヴィル)は働き先でクリスチャンディオールのドレスに出会う。あまりの美しさに完全に魅せられたハリスは、ディオールのドレスを手に入れるためにパリへ行くことを決意する。なんとか集めたお金でパリへと旅立った彼女が向かった先は、ディオールの本店。威圧的なマネージャーのコルベール(イザベル・ユペール)から追い出されそうになるが、ハリスの夢をあきらめない姿勢は会計士のアンドレ(リュカ・ブラヴォー)やモデルのナターシャ(アルバ・バチスタ)、シャサーニュ侯爵(ランベール・ウィルソン)ら出会った人々を魅了していく。果たして彼女はクリスチャン ディオールのドレスを手に入れて、夢を叶えることができるのだろうか……。
監督・脚本: アンソニー・ファビアン
キャスト:レスリー・マンヴィル(『ファントム・スレッド』)、イザベル・ユペール(『ピアニスト』『エル ELLE』)、ジェイソン・アイザックス、ランベール・ウィルソン、アルバ・バチスタ、リュカ・ブラヴォー、ローズ・ウィリアムズ
製作:グザヴィエ・マーチャンド、ギョーム・バンスキー、アンソニー・ファビアン
字幕翻訳:栗原とみ子 字幕監修:渡辺三津子(ファッションジャーナリスト)
原題:『Mrs. Harris Goes to Paris』
配給:パルコ ユニバーサル映画
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