9.11同時多発テロの首謀者の1人として拘禁された男と弁護士の実話を映画化した『モーリタニアン 黒塗りの記録』よりジョディ・フォスターとタハール・ラヒムが持ち前の演技力をぶつけ合う姿を捉えた本編映像が解禁された。フォスターに二度目のアカデミー主演女優賞をもたらした名作『羊たちの沈黙』でのクラリスVSレクター博士の対峙シーンに勝るとも劣らない緊迫感あふれるシーンだ。

本作は第78回ゴールデングローブ賞にて俳優部門2部門のノミネートを果たし、ジョディ・フォスターやベネディクト・カンバーバッチ、タハール・ラヒムらの実力派が共演した話題作。9.11同時多発テロの首謀者の1人としてキューバのグアンタナモ米軍基地に収容されていた男の衝撃の実話が基になっている。
このたび解禁された映像は、ナンシー弁護士(ジョディ・フォスター)がたった一人でモハメドゥ(タハール・ラヒム)と面会する場面。まさかモハメドゥが拷問され自白を強要されたとは知らないナンシーは、テロリストを見るような疑念の眼差しでモハメドゥと対峙する。
当のモハメドゥはどのような取り調べが行われたのかを明らかにしないばかりか、なぜか話をそらして苛立ちを口にするばかり。そしてナンシーを“口撃”する。
その心理の背景にあるのは恥辱と恐怖。モハメドゥは拷問された事実を知られることを恥じており、非道な取り調べが行われた事実を監視の目が光る場所で話すことを恐れてもいるのだ。

ナンシーとモハメドゥは「冗談じゃない、自分の首を絞める行為だ」「真実を知らないと弁護できない」「なにを言ったって無意味だ。俺はここで死ぬんだ!」「これこそが私の人生。あなたのような人を助けている」などと自らの人生とプライドをかけて言い争う。
この魂のぶつかり合いの鬼気迫る空気感を生み出すためにフォスターとラヒムは事前打ち合わせもなく、演技プランなしで当該シーンに臨んだという。

ラヒムはこのシーンの撮影について次のように振り返っている。「とても奇妙で不思議な時間だったよ。脚本どおりに演じるのとは違い、感情のままに動いてそれに相手が反応する。ただその瞬間に身を置き何かを作り出す。相手役がジョディで本当に幸運だったよ」。
『モーリタニアン 黒塗りの記録』は今週10月29日(金)より全国公開。
モーリタニアン 黒塗りの記録
2021年10月29日(金)、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
監督:ケヴィン・マクドナルド『ラストキング・オブ・スコットランド』 『消されたヘッドライン』
出演:ジョディ・フォスター、ベネディクト・カンバーバッチ、タハール・ラヒム、シャイリーン・ウッドリー、ザッカリー・リーヴァイ
原作:モハメドゥ・ウルド・スラヒ「モーリタニアン 黒塗りの記録」(河出文庫)
2021年/イギリス/英語・アラビア語・フランス語/129分/ドルビーデジタル/カラー/スコープ/5.1ch/原題:THE MAURITANIAN/G/字幕翻訳:櫻田美樹
配給:キノフィルムズ 提供:木下グループ
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